164-衆-法務委員会-24号 平成18年05月12日 ○石原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村たかし君。 ○河村(た)委員 おはようございます。河村たかしでございます。  きょうは、ちょっと初めに、まず事例に即して、よく質疑にもありますけれども、今回の共謀罪と称される罪が適用になるかどうか伺っていきたい、こういうことでございます。  まずは、これは私の事例なんですけれども、名古屋に、「消された校舎」という本になっていますけれども、一遍杉浦大臣にもお願いしたことがあるぐらいなんですが、ある戦前の立派な校舎、建物がありまして、私は古い建物が大好きなんですよ。歴史的建造物、こういうものを簡単に壊す文化というのはとんでもないということで、実力を行使してでもそれを阻止しようということで、端的に言いますと、校門に自分の体をチェーンで結わえて、数カ月にわたって座り込みをやって、これは私は訴えられました。河村たかしは座り込みなどをして取り壊し工事を妨害してはならないとの仮処分を求めるということです。一人だけではありません、多いときには百人ぐらいの方が座り込んでおったと思います。  それで、私の場合、旭丘の場合は、それは不幸にも全くうそでした。実際は、耐震診断等はやっていません。非常に丈夫な建物で、文化庁なんかも、申請すれば登録有形文化財になりますよと文書で回答した。文教委員会で、残してほしいというような当局のお話があったようなんだけれども、うそによって取り壊されたということです。  私の場合は、その旭丘ばかりじゃなくて、ほかのそういう歴史的建造物をやはり日本の国の中へたくさん残していくという信念がありますもので、その後も、滋賀県の豊郷小学校、あそこも参りまして、取り壊し阻止のためにじいさん、ばあさんが教室の中におりましたが、皆さんと一緒に、励ましたり、運動をしてきた。  それから、ほかにも、例えば銀座に、あれはライオンだったかな、ビアホールがあります。あれもええんですよ。部分保存になっていますけれども、あれを壊すといううわさがあったものだから、私は電話をかけて、もしそういうことをやるなら、全国の酒飲みに呼びかけて、目の前に座り込むぞ、実力でも阻止するということをやっておる本人でございます、私は。  それで、結局、こういうような活動については、この問題の罪に当たるかどうか。まず初めの、組織的な威力業務妨害罪ですか、これは現に私、阻止しましたからね、工事に一人入ってきたものだから。いや、本当ですよ、実力でなければどうにもならぬのだから。こういうものに政治は全く動きません。オール与党で全然だめ。  こういうことでやってきましたけれども、まず、組織的な威力業務妨害罪に当たるかどうか。 ○早川委員 犯罪の成否というのは、個別具体的な事実関係によりますので、これを離れて一概に結論をお答えすることは極めて困難であることをまず御了解をいただきたいと思います。  そこで、あくまで一般論として申し上げますと、与党修正案の組織的な犯罪の共謀罪が成立するためには、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体の活動として、犯罪行為を実行するための組織により行われる重大な犯罪を実行することについて、共謀、すなわち、具体的かつ現実的な合意が行われたという要件のすべてを満たすことが必要であります。  お尋ねの座り込みについてでありますけれども、これが威力業務妨害罪に言う威力に該当するか否かがまず問題となり、これに当たらない場合には組織的な犯罪の共謀罪は成立しないことになります。  次に、お尋ねのような市民団体が組織的犯罪処罰法の団体に該当するか否かが問題となります。同法の団体とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的または意思を実現する行為の全部または一部が組織により反復して行われるものをいいます。この組織とは、指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体をいいます。これは同法の第二条の第一項に明定されているところであります。  したがいまして、お尋ねのような市民団体につきましては、構成員が対等の立場で活動しているのが通常であろうと思われ、構成員の間に指揮命令関係等がない場合には、そもそも本条に言う団体に該当せず、組織的な犯罪の共謀罪は成立しないことになります。  また、お尋ねのような、座り込みをすることになっているメンバーが犯罪を実行するための組織に当たるか否か、すなわち、いわば実行部隊のように、威力業務妨害を実行することがその組織の構成員の結合関係の基礎になっているか否かが問題となります。通常の活動のための組織における指揮命令等を犯罪行為に利用したにすぎないような場合には、犯罪行為を実行するための組織に当たらず、したがいまして、組織的な犯罪の共謀罪は成立しないことになります。  さらに、お尋ねのような市民団体が、与党修正案の団体の限定要件、すなわち、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体に該当するか否かが問題となるところでありますけれども、ここに言う共同の目的とは、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的、すなわち構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的をいうと解されておりますから、当該犯罪を実行することが構成員の継続的な結合関係の基礎になっていることが必要になると考えられます。  そして、団体の共同の目的が何であるかにつきましては、当該団体全体の活動実態などから見て、何が構成員の継続的な結合関係の基礎になっているかが社会通念に従って判断されるべきものと考えられます。  そこで、お尋ねの市民団体は、文化財的価値があるとして校舎の保存を求めるために同校のOBで形成され、校舎建てかえへの反対運動を行っていたということでありますから、これを前提としますと、その構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的はそのような正当な活動を行うことにあると認められるのが通常であると思われます。そのような団体において、仮に重大な犯罪に当たる行為を行うことを意思決定したとしても、そのことだけで直ちに、構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的がそのような犯罪行為を実行することにあると認められることにはならないと考えられます。  したがいまして、そのような場合には、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体に該当せず、したがって、組織的な犯罪の共謀罪は成立しないことになります。  以上のとおり、与党修正案の組織的な犯罪の共謀罪が成立するためには、これらの要件のすべてを満たすことが必要であります。これらの一つでも満たさない場合には、組織的な犯罪の共謀罪は成立しないものと考えられます。 ○河村(た)委員 いや、しかし、聞いておると、これはそのまま当てはまるのではないかと私は思いますね。何なんですかね。これは反対じゃないですか。この工事を阻止するのは、はっきり言いまして、そんな生易しい話じゃないですよ、本当に阻止しようとすると。何か皆さん、議員の場合はわあわあ言っておるだけのが多いですけれども。  今聞いてきましたけれども、共同の目的が継続している、これは明らかに、要するに、みんなで、旭丘高校の場合でも、まず残そうか、耐震診断をやろうか、いろいろやっているんです。  これは、途中から、座り込みと実力によって阻止せざるを得ない、そういった場合、何人か外れるんです、やるとわかるんですけれども。私はそこまではやらないという人が出てくるんですよ。そこから変容していくんです。  その団体の目的、共同の目的、実力を行使しても工事に入ってくる人を阻止することになるんですよ。継続して行う、数カ月にわたって連続です。一遍や二遍でも継続と言えるかどうか知りませんけれども、ずっと数カ月、どれだけやったかな、物すごく長かったですよ。  それから、指揮命令系統、これもちゃんとないと連絡もとれませんし、食事も要るんですよ。朝飯、握り飯を食べたり、食事も要る。それから、実際、工事に入ってくるといけませんので、そういうときにお互いにどうするか、そういう連絡もとるということは間違いなくありますよ。  それから、いろいろばっと言われたんで、全部私も書けなんだけれども、実行部隊の結合関係、これはすごいですよ。これは本当に、そういう組織集団は強いと思われますけれども、本当に気持ちを持ってやっておる人たちの目的というのは強いんですよ。そうでしょう。ほかのいわゆる暴力団とかそういうのと違いますから、本当に目的が一致していますので、実力を使ってでも絶対取り壊し工事を阻止する、こういうことですよ。  それから、目的を全体で見ると言われましたけれども、全体は物すごくクリアですね。それから、基礎になっている目的が、そういう歴史的建造物を保存するということ。  だから、問題は、もし早川さんがそう言うなら、それでは、あなたたちの修正案にそういうふうに書いていないでしょう。目的は、外れるのは、一番最後の前二項の適用に当たってはかな、どっちですか。とにかく、目的がよければいいという条文はないんですね。言っておるのは行為だけなんです。それでは、これははっきり言って当てはまり得るんじゃないんですか。一体どこが違うんですか。 ○早川委員 まず、修正案についてのお尋ねだと思いますけれども、河村委員がお読みになっている部分の読み方の話から申し上げますと、あくまでも修正案というのは、構成要件を明確化し、かつ、限定しようという目的であるものであります。  そこで、政府原案の団体の活動の中に括弧書きとして、「その共同の目的」が重大な犯罪を実行することにある団体、こういう書きぶりの中の「その」というのを活動のというふうに読んでしまうと、それが誤解のもとになってしまう。その共同の目的が重大な犯罪を実行することにある団体、これは結局、その目的というのは団体に係るということは文理上明らかなんですけれども、ただ、なかなかわかりづらい。その前の言葉に引きずられて解釈すると、「その」というのが活動のというふうにどうも読み込まれてしまったのかなと。弁護士会等でもいろいろな御意見がありますけれども、どうも、その前の文言に引きずられてしまって拡大解釈の余地があるのではないか、こういうことで心配が示されたわけであります。  しかし、基本的には、構成員の継続的な結合の基礎となる目的が重大な犯罪を実行することにある、そういう団体というふうに限ると限定をしたことによって、実は組織的な犯罪を行う集団だけが対象なんだというふうに限定をさせていただいたつもりであります。  ところで、今、河村委員のような御指摘があって、これが一般に非常に流布をしてしまう、誤解だということの内容がなかなか理解いただけないということの中で、我々、再修正ということを民主党の議員とともに提案をさせていただきたいということで精力的に作業をしているところであります。  そういうことで、言ってみれば、これは参考人として櫻井参考人がお話しになりましたが、組織的な犯罪集団ということに絞ってというお話がありました。そういうことで、再修正の作業の中身には、この文言、法律の文言の中に、組織的な犯罪集団、こういう用語をつくるということを今提案を検討させていただいているところであります。 ○河村(た)委員 そうすると、これは本当にきちっとしていかないと、適用になるといっておどされるだけでもかなわぬわけですよ、実際。それは、座り込みなどをしなくて、ほかの、議員がしっかりやってくれて実際に動けば別なんだけれども、そうでない場合。  そうすると、よく考えてみると、どうも、初めはいい目的だった場合、歴史的建造物を残そう、こういうような場合はよくて、では、初めから、こういうのがあるかどうか知りませんけれども、よく占有屋というのがありますね、あれは罪になるでしょう。どこかで立ち退きなんかを請求されたときに、初めに入って、組織的にそういうことをやって、嫌がらせをやって何か金を取ろう、こっちは入りますね。 ○早川委員 今、河村委員が御指摘になった事例が、例えば、要するに、強制執行を妨害する目的のために暴力団等がそういったところを占拠しているというようなケースを念頭に置かれたのかなと思いますが、いずれにしても、個別具体的な事案に基づいて判断をしなければならないという大原則があります。  そういう状況の中で、その構成員の継続的な結合の基礎となっている目的が重大な犯罪を実行することにある団体かどうかということ、さらには、組織的な、要するに、そういった重大な犯罪を実行する組織があるのかどうか、そういったことを個別具体的に判断する、そういうことになりますので、一般論としてはちょっとお答えしづらい話であります。 ○河村(た)委員 いや、これは一般論として答えてもらわないかぬですよ。何でかといったら、法律をつくるんですから、日本の国民の皆さんがこれを読んで、自分が罪になるかどうか、これを判断しないといかぬですからね。これを罪刑法定主義というんでしょう。結局、それが市民生活を守るということですから。これはあなた、答えないかぬですよ。  今言ったように、例えば、工事を妨害しよう、もともとそういうような目的だとどうもだめで、絶対有罪という意味ではないからね、ここは裁判所じゃないんだからいいんですよ。だから、そういうものはどうも危なそうだと。反対に、当初の目的はどうもそうではなかった、もっと文化財を守るとか、ほかにもあるかもわからぬけれども、当初の目的は社会的に立派な目的であった、しかし、途中から実力行使もやむなしというふうに変貌していった場合は、これはやはりいいんですか。  だから、そうならそうでちゃんと書いてもらわないかぬ、そういう意味での基礎の目的だと。基礎の目的だけだったら、途中で変貌したなり、変貌したのかわかりませんよ、座り込みの例で私は体験しましたから。座り込むというと、これはやはり人間がかわるんですよ、共通している人もおりますけれども。かわるといったって全部かわるみたいじゃないけれども、これはやはり嫌だという人がおるんですよ。赤穂浪士じゃないけれども、わしは討ち入りは嫌だという人もおったでしょう。そういうふうになるんですよ。その場合、基礎の目的というのはやはりあるんですよ、取り壊し工事を妨害するというのは。  この辺、どうですか。それならはっきり書いてちょうだい。 ○早川委員 まず、御質問の内容を正確に把握しなきゃいけないんですが、正当な目的で活動していた団体が、その後、重大な犯罪等を実行する目的で活動するようになった場合にはこれに該当するのかどうか、こういう御質問だと思います。  そこで、団体の共同の目的が何であるのかを判断するに当たっては、団体の過去の性質や共同の目的の変質の有無が問題となるものではなく、その時点において、継続的な結合体全体の活動実態などから見て、客観的に何が構成員の継続的な結合関係の基礎になっているのかが社会通念に従って判断されるべきものであります。お尋ねの点につきましては、その時点における共同の目的が重大な犯罪等を実行することにあると認められるか否かによるものと考えられます。  なお、ある特定の時期に、ある特定の犯罪に当たる活動をしたことだけで直ちに、その団体の共同の目的が重大な犯罪等を実行することにあると認められるわけではなく、いまだ重大な犯罪等を実行することが構成員の継続的な結合関係の基礎になっているとまでは認められない場合には、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体には当たらないことになります。  また、過去に正当な目的で活動していたことがある団体であればおよそこれに当たらないのかどうかということがもし御質問の趣旨であるとすれば、過去に正当な目的で活動していたことがあったとしても、その後その団体の性質が一変し、共謀が行われた時点において、重大な犯罪等を実行することが構成員の継続的な結合関係の基礎になっていると認められる場合には、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体に当たることにもなります。  もっとも、ある特定の時期に、ある特定の犯罪に当たる活動をしたことだけで直ちに、その団体の共同の目的が重大な犯罪等を実行することにあると認められるわけではなく、いまだ重大な犯罪等を実行することが構成員の継続的な結合関係の基礎になっているとまでは認められない場合には、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体には当たらないことになるのであります。 ○河村(た)委員 これはやはり大変です。今はっきり言われたように、これはその時点において判断すると。過去がどういうことであったかというのは、今はっきり、そういう過去の目的ではなくと言われたな。  過去の目的ではなく、その時点における目的が基礎になっているかどうか、どういう目的が基礎になっているかどうかで判断するということになると、傍聴人もようけ来てみえる人がおるけれども、これはやはりなりますね。これはやはりなるんです。これは、取り壊し工事の妨害とか、いろいろな工事をやるものはありますね、そういうのを妨害しようというのは、これはなります。だから、ここは、なるならなるとはっきり言ってもらわないかぬ。今言った話で、初めの推定が違いますよ。なり得ると言ってください。  では、歴史的建造物を、例えば東京駅前に今郵便局の建物が、古いものがあります。丸ビルを壊してしまったけれども、あれもいい建物なんです。大阪にもあります。大阪中郵、あれを壊すという話も聞いておる。これはとんでもないと。ああいう建物というのは森の中の大木みたいで、巨樹みたいなもので、例えば東京丸の内が物すごい近代的なビルばかりになったとしても、ああいうものが一つ残っておるのは非常にいいのです。東京駅自体がそうでしょう。  それで、絶対だめだということになって、そうやってやっておるうちはいいけれども、それでは、みんなで郵便局の前に人間の鎖かなんか知りませんけれども全員座り込んで、絶対工事をさせないとなったら、これはやはりなりますよ。 ○早川委員 私は、ならないというふうに思います。  といいますのは、そもそも、いわゆる組織的な犯罪集団という概念に今のようなケースが当たるというふうにお考えになること自体が果たしていいのかどうか。そこまでのことを考えて今回のいわゆる条約刑法が提案されているわけでは全くないわけであります。  そういう状況の中で、もちろん法文の書きぶりがひとり歩きするおそれがあるのではないかという心配の中で、それをどうやって限定するかということの工夫を重ねてまいりました。さまざまな懸念を全部なくしていくために、最終的には、組織的な犯罪集団という用語を用いることによって、御指摘のような事例にまで適用されることがないようにしたいというふうに考えているところであります。 ○河村(た)委員 やはりよく考えてみると、今の認識の中には、過去の行為の実績というのは早川さんにも入っているわけですよ、なぜそういうのがならないかという。暴力団というか、暴力団でなくても、そういういわゆる占有屋というのはなり得るだろうと思うけれども、そういうのが当たって、では、なぜ、建物を壊さずにみんなで頑張ろうというのがならないかというと、やはりその当初の目的、これが頭の中に入っておるんですよ、早川さんの頭に。だから、当然、犯罪集団とは言えないよと言うんだったら、法文も、やはり言い方を変えてもらわないかぬですよ。それがあるとこっちは言っておって、絶対ないとおかしいもん、今の話は。  犯罪というか、そういうものをやる場合に、過去のことを書くというのは悩ましいと思いますけれども、そういうような違いですね。その場に着目してやったら、同じですよ。その場で取り壊し工事を妨害しておる、これは同じですよ。だから、そういうふうに書くことはできないのかということですね。 ○杉浦国務大臣 私が指名されているわけじゃないので……(河村(た)委員「杉浦さんに頼んだけれども、やってくれなんだがね、校舎の取り壊し」と呼ぶ)ああ、あの一中のやつね。河村先生は愛知一中、私は愛知二中の出身で、あれは本当に残したかったですけれどもね。私は、柳澤先生も関係しておると思うけれども、歴史的建造物の保存を進める会の会員でございまして、歴史的建造物がなくなっていく、何とかしたいと思っている一人であります。(河村(た)委員「行動せないかぬよ、大臣。会員だけでは何にもなりゃせぬ」と呼ぶ)できるだけのことはしているつもりなんですが。  ただ先生、先生のお話を伺っておって、威力業務妨害罪、場合によってですよ、反対運動をやっていて、座り込んでということは、威力業務妨害罪に当たる場合があるかもしれないとは思うんですが、この法律の組織犯罪の対象となる共謀とか云々には全く無縁だということは御理解いただかなきゃいかぬと思うんです。  最初の目的はよかったけれども途中でおかしくなったということもあるという、法律上の説明は非常に難しい説明なんですが、御説明があったとおりなんですが、典型的な例は、リフォーム詐欺集団ですね。  僕の地元で一社あったんですが、もともとはまともなリフォーム会社だったわけですが、途中で、会社ぐるみでリフォーム詐欺を始めたわけです。会社ごと全員逮捕されましてあれしましたが、これは、途中で社長がかわって、会社ぐるみで年寄り相手の詐欺リフォームを始めたわけで、こういう場合には、この法律が成立しておれば、犯罪行為を行う会社になっちゃったわけですから、この法律に基づく共謀というのも適用の余地はあるかもしれません。  しかし、先生のおっしゃる反対運動、これは正当な目的を持った結合体ですから。ただ、その反対運動の一部分が、それは威力業務妨害罪に当たる場合もあり得るかもしれません、場合によっては。しかし、この法律で言う共謀罪の適用があるかどうかになったら、それはもう全くないというふうに思っていただきたい。この共謀の適用になるのは別だと思います。 ○河村(た)委員 今言われた、要するに、威力業務妨害罪が成立し得るんだったら、それを共謀してやればあり得るわけでしょう。だけれども、まあええわ、ちょっとほかのがありますので。  まず、こういう事例は絶対排除するように、さらに立法作業を、修正作業を進めてもらわないかぬです。そこだけちょっと答弁してください。 ○早川委員 結局、共同の目的という解釈の中で申し上げておりますけれども、先ほど、文化財を守るためにその団体が形成されている、この目的が共同の目的であるというふうに私どもが説明をしているところであります。それで、そのための修正案を出しております。(河村(た)委員「過去のことだもの」と呼ぶ)  ただし、それについて、過去のことであっても、全体的に、その団体は貴重な文化財を守るために、たまたまそういった、一部、威力業務妨害罪に当たるような行為が行われているかもしれない、その辺の評価の問題は別ですけれども、団体の共同の目的はそうじゃないんです。あくまでも文化財を守る、こういうために結合している、そういったのが継続的な結合の基礎にある、こういうふうに考えています。  ただし、今委員が御指摘のように、それでもなお、一般の誤解、不安を招くようなことであれば、それがないようにしていくというのは当然我々の責務だと思っておりますので、そのために、組織的な犯罪集団という用語を法文上明記するということで、今努力をしているところであります。 ○河村(た)委員 そうしたら、今の話では、当初の目的がやはり頭の中にあるんだね。それがあって、それがあくまでベースにあるからという認識があるんでしょう。そういうのはやはり排除する。  そうじゃないでしょう。漆原さん、そうじゃないと言っておる。 ○漆原委員 杉浦大臣からもお答えになったように、最初、正当な会社をやるつもりが、途中でリフォーム詐欺会社の専門集団に変わった、これはまさに、最初の正当な業務、営業活動の目的が途中でなくなる事例なわけですね。  今先生のおっしゃっている、文化財を保護するために、場合によっては実力行使をするということは、その実力行使をするという段階でも、文化財を守るという大きな目標があるわけですから、全く条件としては違うというふうに思います。 ○河村(た)委員 それならそれで、ちょっとは安心になるかね。適用について、これは言ってもらうだけで大分違いますよ。  それでは、当初の目的があるものでもう一つだけ。  端的に言いますと、この間うち、会社の脱税なんかがありましたけれども、これはどうですかね。逮捕された方、みえましたよね。脱税もありますし、それから有価証券報告書なんかは割と、利益が出ておるように、これはかなり継続的にやっておるのがありますよ、会社の中で。所得税法違反、仮に、二つパターンがありますわね。税金を出さぬ方にする方の脱税の共謀、それからもう一個は利益をわざと出すようにする、これは上場会社なんかであり得ると思うんだけれども。この間うち、これはあったじゃないですか。これは当てはまりますよね。 ○漆原委員 河村委員は具体的な問題を出して質問していただいて、これは、その都度、与党案の構成要件がきちっと担保されることを示す機会を与えていただいているということで、私は、大変貴重な意見でもあるし、うれしいなと思っておりますので、一生懸命答えさせていただきたいというふうに思っております。  まず、お尋ねの点についてでございますけれども、先ほど早川委員が申しましたように、犯罪の成否は、まさに具体的事件ごとに事実関係が異なりますので、一概には申し上げられませんけれども、一般論として申し上げますと、与党修正案の組織的な犯罪の共謀罪が成立するためには、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体の活動として、犯罪行為を実行するための組織によって行われる重大な犯罪を実行することについて、共謀、すなわち、具体的かつ現実的な合意が行われたという要件のすべてを満たす必要があります。  まず、お尋ねのような脱税に関与する会社組織が犯罪行為を実行するための組織に当たるかどうか、すなわち、いわば実行部隊のように、犯罪を実行することがその組織の構成員の結合関係の基礎になっているか否かが問題となりますが、通常の業務のための組織における指揮命令等を犯罪行為に利用したにすぎないような場合には、犯罪行為を実行するための組織には当たらないというふうに考えております。  次に、お尋ねの会社が与党修正案の団体の限定要件、すなわち、共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体に該当するか否かの問題になりますけれども、ここで言う共同の目的というのは、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的、すなわち構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的をいうと解釈されます。当該犯罪を実行することが構成員の継続的な結合関係の基礎になっていることが必要であると考えます。そして、団体の共同の目的が何であるかについては、当該団体全体の活動実態などから見て、何が構成員の継続的な結合関係の基礎になっているかどうか、これが社会通念によって判断されるべきものと考えます。  そこで、お尋ねの会社は、通常は正当な営業活動を行っているものと思いますけれども、これを前提としますと、その構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的というのは、そのような正当な活動を行うことにあると認められるのが通常であると思われます。そのような団体において、仮に重大な犯罪に当たる行為を行うことを意思決定したとしても、さらには、お尋ねのように、それを毎年のように繰り返していたとしても、そのことだけで直ちに、構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的がそのような犯罪を実行することにあると認められることにはならないというふうに考えております。  したがって、そのような場合には、その共同の目的が重大な犯罪等を実行することにある団体には当たらず、組織的な犯罪の共謀罪は成立しないというふうに考えております。 ○河村(た)委員 そうすると、どうも、目的はあるんだけれども、基礎というのが重要なんだね。何遍も言っていますけれども、基礎。 ○漆原委員 全くそのとおりでございます。(発言する者あり) ○河村(た)委員 それでは、それを書いてもらおうか、平岡さんも言っておるし。基礎を書いておいてくださいよ。 ○早川委員 もともと、この法律そのものの解釈が、継続的な結合関係の基礎にある目的、こういうことに文言上解釈される、そういうふうに出てくるわけですから、委員が御指摘のような懸念というのは実質上ないわけであります。  しかし、それでもその辺の疑念が払拭できないということであれば、組織的な犯罪集団、こういう表現ぶりを採用することは適当ではないかと思います。 ○河村(た)委員 今持ってきてもらったけれども、共同の目的とはとずっと書いてありますけれども、基礎とはと書いていないですね。これは、財団法人法曹会「組織的犯罪対策関連三法の解説」というものには基礎というのはないですよ。  これはいいんですよ。こういうのは健全なんですよ。普通、党議拘束がかかっておって、修正なんかあらへんわけですよ。こうなると、これが本当の国会ですよ。連続的に修正していくというのは、実は非常にいいことなんですよ。何の問題もないし、本来の姿だ。  だから、基礎と入れたらどうですか。 ○早川委員 まず、文言上の問題として、この委員会で質疑をすることによってその趣旨というのは明確になってきていると思うんですが、念のために申し上げますと、現行の組織的犯罪処罰法におきまして、第二条の第一項で、「「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織により反復して行われるものをいう。」という定義があるところであります。  そこで、この定義規定の文言からは、当然に、共同の目的というのは、個々の構成員がその時々に有している目的をいうのではなくて、あくまでも多数人が共同して有している、かつ、継続的結合体として有しているものでなければならないということになるわけです。  この定義規定の要件をすべて満たすものだけが組織的犯罪処罰法における団体に該当することから、多数人の継続的結合体であっても、共同の目的を有していないものはこの法律上の団体に当たらないこととなるのもまた当然のことと考えられます。共同の目的は、この法律上の団体に必要不可欠なもの、すなわち団体を団体たらしめている基礎的なものであることもまた明らかであると考えられます。  このような条文の規定の内容から当然に導かれる解釈としまして、与党修正案の共謀罪の規定に言います共同の目的とは、継続的な結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的、すなわち構成員の継続的な結合関係の基礎になっている目的であると解されることになるのであります。 ○河村(た)委員 時間があと五分ですから、それはまた今後に持っていきます。  警察庁に来ていただいておりますので、これを聞かないかぬですけれども、要するに、免許不提示で捕まえてしまえと。  これは大事なんですよ。自民党に聞きたいけれども、にせメールだけ、にせメールの真相が何だかんだ言って、本当のテープを提示したのに何で聞かないんですか。これは早川さん、どうですか。自民党。(発言する者あり)  委員長、時間がないから、質問し直します。  それは、早川さん、本当に抗議しておきますからね。こういうものこそ、テープをみんなで聞こうということにならないかぬですよ。すごい人権侵害、重大ですよ。  では、局長、言いますけれども、同種の事犯が奈良県で、ノーヘルメットで走っておった、そこへ、結局、免許を見せろ、こう言うんです。  皆さん、僕も知らなかったけれども、免許提示の義務というのはないんですね、任意ならあるけれども。やはり謙抑的になっておるだろうと思うけれども、そうやって、いや、それはないですよと言ったら、そんな法律勝手につくるなと言って、それで、逮捕するぞ、手錠かけるぞと何遍もおどされた、そういう事例があって、その後謝罪したという事例がありましたね。 ○矢代政府参考人 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の事案につきましては、私どもと申しますか、警察庁としては承知しておりません。  なお、兵庫の事案ですが、これは免許の提示をしないので逮捕したというのではなくて、単車で、バイクで歩道を通行したという通行区分違反で逮捕しているものでございまして、その際に、本人の人物の特定ができず、逃亡のおそれがあったので、これを逮捕したということでございます。 ○河村(た)委員 何が言いたいかというと、これ、公務員には適用あるとかないとか、前、議論がありましたけれども、はっきり言うと、そういうような交通違反でも、ちょっと反抗する人間、反抗というのは武力じゃないですよ、言うことを素直に聞かぬ人間に提示しろというのは、ちゃんと法律に書いていないんですよ。切符を切るときに提示しなさいと書いていない。そういうものでもみんな逮捕してしまえということを、兵庫と奈良で出てきたから、こんなもの二つ出てくる以上は、実際、捜査機関の中でそれこそ共謀しているんじゃないか、こういうことなんです。だから、これはこの共謀罪と同じような話なんですよ。  いや、ちょっといけませんよ。だから、きょうは本人に確認したんだよ。きのうメールが来たから、本人にきょう電話して、それで遅くなったんですよ、やはり本人に確認せないかぬと思って。いや、いいです、言ってくださいと言われて、私、すぐ警察庁に言ったんですよ、控室に。だれか聞いておるでしょう。聞いておるとだけ言ってください、あるということだけ。 ○矢代政府参考人 お答え申し上げます。  大変申しわけございませんが、私どもはこれを確認いたしておりません。 ○河村(た)委員 これは一時間以上ありますよ。わざと遅くしたんじゃないですよ。本人に電話をかけて、きょうの朝まで連絡がとれなかったんです。こういうのはちょっと不誠実ですよ、局長。  そういうことでございまして、最後に一つ聞いておこうか。  身元確認は免許でするというルールがあるのかないのか。  それからもう一つ、こういうような場合、道路交通法違反で、いろいろ現場でややこしいわけだ。ここのところは、やはり現場のお巡りさんたちにとっても、一つルールがあると安心するわけですよ。だから、そういうようなマニュアルというんですか、結局、免許証を提示しなかったときどうするかとか、そういうのは研修でやっておるのかやっていないのか。もしそういうものがあったら、これは資料として出してほしいということです。これだけ答弁してください。 ○矢代政府参考人 お答え申し上げます。  身元確認を免許証で行うというのがルールかということであれば、これはルールではありません。必ずしも免許証による必要はないわけであります。ただ、被疑者の人定事項を迅速かつ確実に確認しようと思いますと、これは運転免許証が最も適当であり、また合理的でありますので、通常は本人と運転免許証の顔写真を照合し、本人が運転免許証記載の人物であるということを確認した上で、運転免許証の記載事項により人定事項を確認しているわけでございます。  それから二点目ですが、身元確認のやり方をどのようにするかということのマニュアルはございませんし、それは……(河村(た)委員「ない」と呼ぶ)はい。(河村(た)委員「指導はしていないのか」と呼ぶ)これは、人物の特定のためにさまざまな方法があるわけでございまして、そのケースケースによりまして必要な措置をとるわけでございます。  例えば、免許証を持っていないという不携帯の場合もございます。そのような場合にどのようにして特定するかということでございますが、これは、まず、免許証照会によりまして、本人が申し立てた人物に免許が与えられているかどうかを確認いたします。それから、本人がその人物に該当するか否かを確認するために、身分証明書等、人物、人定事項を特定できる他の資料の提示、あるいは家族に電話して確認いたしましたり、あるいは免許証照会を行った結果と、本人が免許証の記載事項について申し立てる事実がございますが、その間に矛盾点はないか、こういうようなことでもって全体の心証を得て、人物の特定をいたすということでございます。(河村(た)委員「奈良のことは調べますと一言言っておいてください」と呼ぶ)  奈良のことにつきましては、御指摘の案件につきまして、事実等の存在について確認したいと思っております。 ○河村(た)委員 では、以上です。