164-衆-法務委員会-19号 平成18年04月21日
○石原委員長 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
きょうは罰金刑法の話ですけれども、先ほど細川さんも言われましたように、公務執行妨害なんかのその公務が本当に適法であったかどうかというのは重要な争点になると思いまして、今回、ここにこれを持っていますけれども、これは、神戸のあるところで、後でパネルで示しますけれども、そこで歩道をちょっと通った人が手錠をかけられて逮捕された、原付で歩道を走った人がその後逮捕されてしまったということです。よく捜査の現場でいろいろなことがあるんじゃないかと言われますけれども、本当に、これがテープに入っているのは初めてだと思います。
今、皆さんのところに起こしたものは行っておるよね。全文を起こさせていただいて、それが行っておると思います。
それで、警察庁にお伺いしたいが、まず、このテープはいわゆるにせメールのようなものではないですね。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
どのようなものか、ちょっと確認しようがありませんので、またお答えのしようもありませんが、どのようなものかについてのお答えを申し上げるわけにいきません。
○河村(た)委員 ちょっと待ってくれよ、おい。僕は非常にオープンにやっていまして、やみ討ちはしないんです。だから、後で言いますけれども、ぜひここで本当は再生してほしかったんだけれども、事前に民主党は強く要求したけれども、お断りになった。これは全くけしからぬことで許しがたいけれども、こういうことを国政調査でやらないかぬじゃないですか。だけれども、きのう記者会見で、当局も全部来てくれと、そこで流しましたよ、これ、現物を。それと、当局には責任があるだろうから、実はテープ起こしをしたものも渡したじゃないですか。確認されたでしょう、兵庫県警に。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
御説明が不十分でございましたが、にせメールのようなものではないということの意味が、いかなるものを私が確認したらよかったのかということがよくわかりませんので。
○河村(た)委員 本物かということですよ。きのう聞かれたでしょう、逮捕の要件すべて、兵庫県警に。その方に聞いて、こういう状況で録音された、こういうのを渡したし、特別にメモももらったし、河村さん立派だ、ちゃんと事前に全部流した、これは本当ですねと聞いたでしょう。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
そのテープに基づきまして御質問いただきました事案については、確かに、兵庫県警で逮捕した事案、これに該当するものはございます。
○河村(た)委員 録音されていたということも聞きましたね。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
そのように承知しております。
○河村(た)委員 こういうことでございますので。
ちなみに、そこに本人が来ております、この後ろでございますけれども、このときの被逮捕者が。大変勇気がありますよ。皆さん笑っておられますけれども、これはすごく勇気があるんです。彼は司法書士です。すごい勇気をかけて、自分も大変だけれども、これは逮捕歴がつきますから。
では、彼に逮捕歴は残っていますね。
○縄田政府参考人 警察において逮捕した者につきましては、私どもといたしましては、犯歴として、データとして保管をいたしてございます。
○河村(た)委員 そういうことなんです。彼はまだ独身ですよ。それで、司法書士もやっておられて、このこと自体、ここへ出てくるのもリスクがありますけれども、彼の人生にとって決定的に大きな問題ですよ。たった一人でもこういうことを救うというのは、国会挙げてやってもらわないかぬ。交通違反というのは年間に八百万件ぐらいありますから、こういうことがいろいろなところで起きていないかというのを検証せないかぬですよ、委員長。
だから、これは本当にぜひ再生させてほしいんですけれども、どうでしょうか、委員長。
○石原委員長 これは理事会で協議をさせていただきまして、そのテープの起こしを参考資料として配付するということで合意しております。
○河村(た)委員 本当に、これは押すと鳴るんですけれども、押しましたけれども、ボリュームゼロにしてありますので鳴りません。約束というか、約束じゃないんだけれども、承服できぬけれども、一応理事会で合意しましたので。
空で回っておる音だけ出るかどうか知りませんけれども、全く個人的に残念というより、今ちょっと漆原さんにも言っておったけれども、やはり実際の逮捕の現場というのとここらの話とは違うからなということだよね。
そういうことですので、ぜひひとつ、委員長、ぜひ今度はテープを再生させていただくことと、それから、当事者ですね、そこに本人が来ておりますので、本人はここにいつでも出ると言っております。それから警察の方、当事者です、向こう側でしゃべっておられる方、逮捕だ逮捕だと言っておる方、手錠ははまっておるんだと言っておる方ですよ、ぜひここに呼んでいただいて、やはり捜査の最前線の状況を国政調査をお願いしたいと要望しておきます。
○石原委員長 要望を聴取いたしました。
○河村(た)委員 聴取しましたというのは、何ですかね、これは。
○石原委員長 聞いたということでございます。
○河村(た)委員 聞いたですか。理事会か何か知りませんけれども、御議論をいただくわけですね、当然。
○石原委員長 理事の方からお話が出れば、協議いたします。
○河村(た)委員 えらいもったいつけた言い方でございますけれども、本当に、党がどうのこうのというより、これはやらないかぬですよ。
それから、警察庁、かつて今まで、逮捕されている現場が録音されているテープというのは聞いたことがありますか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
なかったかどうかは子細に確認できませんが、聞いたこともありませんので、少なくとも、非常にまれである、あるいはなかったか、どちらかだと思います。
○河村(た)委員 そういうことでございます。
ちょうど大林さんも来てみえますので、ちょっと質問通告してありませんが、御自分の御体験でいいんですけれども、最高検の検事をやってみえますので、今まで自分の御体験の中で、いろいろな取り調べをやられたと思いますけれども、逮捕もされたことがあると思いますけれども、その現場が録音されているというのを聞かれたことがありますでしょうか。自分の体験だけでいいです。
○大林政府参考人 逮捕後、警察に引致されるまでの間に車の中でテープを録音していた、被疑者がテープを録音していて警察に着いてからそれが見つかったという事例があったということは、私の経験上、それ一件はあります。
○河村(た)委員 では、そのテープを聞かれたことはありますか。その話があったということですが、そのテープを実際に聞かれたことはありますか。
○大林政府参考人 私はそのテープ自体を聞いたことはございません。
○河村(た)委員 そういうことでございますので、多分これは国会始まって以来というか、警察庁の方ははっきり、ないということでございましたし、大林さんも本人は聞いたことがないということでございますので、大変貴重でございますから、ぜひそのチャンスを理事会でつくっていただきたいということでございます。
それでは事案の方に行きますと、これはどっちに見せたらいいかわからぬけれども、カメラは向こうの方ですか。
これは神戸でございますけれども、順番に行きまして、私が指さしておるところが、ちょうど歩道が行きどまりになっておりまして、あるところへ出るところで行きどまりになっておって、戻ればよかったんですけれども、戻って道を完全に逆走すればいいですけれども、それはいわゆる通行区分違反といって、歩道の上を、正直言って余りいいことじゃないですけれども、たまにちょっと走る場合ありますわね、こういうことです。
ここから出てきまして、袋小路になっていまして、ずっとこちら側に植え込みがあるんですわ。ここへ出ておるのは私ですけれども、植え込みがあって、なかなか出られない。ちょっと区分があるところもあるんですけれども、相当大きな段差がありまして、原付ですけれども、後ろが二つのもの、ピザをよく運んでおるもの、ああいうものでございましたので、この一番下までずっと行った。この信号のところで現行犯逮捕で手錠をかけられてしまった。こういう事案でございます。
本人は、通行区分違反は認めております。これは通行区分違反を争っておるんじゃないということでございます。逮捕自体が、それも手錠をかけるまで至ることか、これは逮捕歴が残っていますから。そこら辺の一部始終が録音されているということでございます。
さて、まず、なぜ逮捕したかということをお答えください。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
なぜ逮捕したかということでありますが、これは、被疑事実は、ただいまのお話のように、通行区分違反でございます。
これは、大体、状況を要約いたしますと、この日、歩道上を走っている単車、原付ですが、これを認めまして……(河村(た)委員「早目に言ってちょうだいよ」と呼ぶ)はい、わかりました。違反事実を告げまして、これは道交法違反ですので、これを検挙しようとしたわけです。人定事項を確認するために運転免許証の提示を求めました。これに対しまして、この方は、見せる必要はない、提示義務はないでしょうということでございました。さらに提示を求めましたが、運転免許証様のものをウエストポーチ内の財布から取り出し、ちらつかせるだけで、記載内容を確認できるまでの提示はなかったということでございました。これが一つでございます。
そこで、捜査は、道交法違反だけではなくてすべて、人定事項の確認というのがスタートでございますけれども、免許証をよく見せてくれないということで、これは無免許の可能性もあるか、あるいは人定事項の確認にも役立つということで、運転免許照会を実施するために違反者に人定事項を自書していただきました。本籍地の県名、住居、携帯電話、それからお名前、氏名ですが、これを記載していただきました。生年月日については記載を拒否されましたので、運転免許照会はそこでは実施できませんでした。
そこで、他の身分証明となるものはないかということでしたが、これは知らぬということで、応じないということで、この段階でも結局本人の人物を特定することができなかったわけであります。お名前を申し上げておりますけれども、確かにこの人がその人であるかということの特定はできない状況でございました。
そこで、この方は急いでいるなどと申しまして立ち去ろうとしますので、まだ人定が明らかでないということで、このままでは逃走のおそれがあるということで、道路交通法違反の、先ほど申し上げました通行区分違反で現行犯人として逮捕したわけでございまして、この際に、一人で最初対応しておりましたが、現行犯人逮捕のために応援警察官とともに手錠をかけて逮捕いたしております。これがおおむね四十分弱の出来事でございます。
お尋ねのなぜ逮捕したかということでございますが、本事案に対する逮捕ですが、人定事項を確認できず、逃走のおそれがあると判断して行われたという報告を受けているところでございます。
○河村(た)委員 この内容を読みますけれども、先にちょっと言ってからかな、皆さんに誤解されるといけませんので。
彼に運転免許の提示義務はあるんですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
運転免許証の提示義務というのは、それに違反すると罰則があるという意味の義務だと思いますが、これはございません。
○河村(た)委員 これは実はないんですよ。五項目だけ決まっておりまして、それも、無免許かどうかを確認するためということですよね。どうですか。
○矢代政府参考人 御指摘のとおり、免許証の提示義務は、無免許ないしは無資格、飲酒運転、それから過労運転、これは薬物の使用ですが、これらの場合には往々にして無免許の場合が多いわけですので、免許証の提示義務を課しております。
○河村(た)委員 ですから、本人、写真を、本当は出さぬでもいいんだけれども、自分で出すというか、いわゆる提示義務があるときの出し方というのは判例であるようですけれども、そういう意味じゃないですけれども、こういうふうですよと見せていますから、今も言われましたように、運転免許証は出された、あるということはわかった、そこはそういうことでよかったんですね。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
運転免許証様のものを持っておられまして、これは示されました。ただ、内容は確認できておりません。あと、先ほど申し上げましたように、免許証照会もできませんでした。大体そういう状況でございます。
○河村(た)委員 ちょっと細かいところの前に、この後に手錠をかけられましたけれども、これはなぜ手錠までかけたんですか。やはり手錠をかけるというのは相当なことですからね。手錠をかけない逮捕というのは当然ありますよね。これはどういうことですか。
○矢代政府参考人 逮捕は被疑者を実力支配下に置けばいいわけでありまして、手錠の使用は必ずしも必要ではありません。ただ、身柄を確実に捕捉するために必要に応じて使用するものでございまして、本件事案については、手錠の使用については逮捕に必要な実力行使として行ったというふうに報告を受けております。
○河村(た)委員 必要だと言いますけれども、これは犯罪捜査規範ですよね、警察庁の書いた犯罪捜査規範の中で、百二十七条、この中に、手錠等の使用は必要最小限にとどめなければならないことは言うまでもない、こういうふうにありますよね。これは警察庁が出したものですよ、犯罪捜査規範。
本人がその場におって、後で言いますけれども、住所も氏名も言って、手錠をかけるというのは、これは必要最小限ですか。当たり前なんですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
ただいまの御指摘は、犯罪捜査規範の百二十七条とそれに対する考え方でございますが、考え方はそのとおりでございます。必要最小限でやります。
通常、例えば、任意同行を求めまして警察署の施設内にいるときに、実力支配のもとに被疑者がおりますれば、それ以上に手錠をかける必要はないわけでございます。通常、街頭におきます現場執行の場合には、身柄を確実に確保するために手錠を使用する場合が多いかと思います。
この場合、本件事案についてどうかということでありますが、本件事案については、逮捕に必要な実力行使として、つまり身柄を確実に確保するために必要であるということで、適法な執行として行ったということを県警から報告を受けております。
○河村(た)委員 だから、結局、これは録音を再生せないけないですよ。
今回は、いわゆる可視化法案、民主党が出していますけれども、可視化法案の場合、取り調べの場合ビデオで撮るということが一番の原則になっています。できぬ場合は録音するということ。これは実際、可視化の状況になっておるわけです。
物すごく貴重なことですから、あなたたちがそんなことを言っているけれども、これは通行区分違反でおりてきて、本人もそれを認めている、否認していないんですよ。
それで、後で言いますけれども、人定事項の確認と言いますけれども、住所、氏名、携帯電話も言ったんですね。一体、これであと何が不足ですか。何ですか。生年月日ですか。生年月日なら、なぜ電話して確認しない。それから、オートバイに番号がついていたでしょう、車両番号。それを何で確認しないんですか。それから、ほかの証明手段あるじゃないですか。ほかの証明書ないか、なぜそれをしなかったんですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
まず、運転免許証は多くの場合人物の特定に使うわけですが、これは顔写真がありまして、この人がこの人だということについては非常にはっきりするわけであります。銀行の窓口なんかでも使います。捜査の場合、特に使いますが、交通の取り締まりの現場では大体この運転免許証で人定事項を確認するということでございます。
それで、お話のありました、名前がこうである、あるいは本籍地の県はこうである、それから携帯電話、これは確かに承っております。ただ、これが確かに真実かどうか、それはやはりその場ではわからないわけです。
したがって……(河村(た)委員「委員長」と呼ぶ)よろしいですか。
○河村(た)委員 真実がわからないといっても、手錠をかけるんですよ、言っておきますけれども。そんじょそこらでちょっとあんただれというのと違いますよ、これは。逮捕歴を残して人の人生を破滅させるかどうかのところですよ、警察は。
なぜ、もっとちゃんとサービスしよう、できる限りのことをやろうと。逮捕せずに、手錠をかけることは極力しない。これは犯罪捜査規範にもう一つあって、こういう交通違反の場合は逮捕を行わないようにしなければならない、こういう記述もあるんですよ。なぜそれを守らなかったんですか。一人そんなことで逮捕して手錠をかけて、当たり前のような顔をして、これは本当にとんでもないですよ。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
兵庫県警の事案の報告を見ておりますと、恐らく免許証を提示していただければ人定の確認はすぐにできただろうと思います。それで、そのための説得をかなりやっておるようでございます。先ほど申し上げましたように、逮捕までは四十分弱ほどでございます。
したがいまして、その本人を特定するための努力をかなりやっておりまして、その上でのことでございます。
○河村(た)委員 何が本人を特定するために努力していたんですか。携帯電話、かけたんですか。それと、車のナンバーは照会したんですか。単車についておるでしょう。照会したんですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
今お話しのナンバーの照会あるいは携帯電話、これは本人が持っていたわけですが、架電、これはやっておらないと思います。
なお、逮捕する必要がある場合には逮捕することと、その際に手錠を使用するかどうか、これはまた別の問題だと考えております。
○河村(た)委員 簡単に言っていますけれども、言っておきますけれども、これは大阪高裁昭和六十年十二月十八日判決、ここで国賠で負けているんですよ。逮捕しちゃった、これはやはり免許証を見せないなら逮捕すると。負けているんですよ、実は。それで、この方は否認しております。踏み切りへ入ったというものです。そういう事案で、逮捕して、負けているんですよ。
やはり法律というのは、権力というのは、これほどまでにきちっとやらないかぬということです。人生をめちゃくちゃにするから、こんなもの当然じゃないか、そういうことですよ。ええわええわで済まされぬし、これはたまたま出てきましたけれども、もっと、八百万件の道路交通法違反、その他も含めて、おい、逮捕するぞということが、はっきり言っておどしのような、自白の強要といいますか、そういうふうに使われているんじゃないのか。
これは本当に貴重なケースなんです。たまたまわかった。普通、本人は出てきませんよ。もう言われればみんな、済みません、わかりました、自分はおもしろくないかもしらぬけれども、全部従いますわいと。マスコミに言わぬでください、家族に言わぬでくださいとみんな従うんですよ。そうやって泣き寝入りしておる人がむちゃくちゃおるんだ。(発言する者あり)そういうことのために言っておるんであって、そんなもの、免許証見せて当たり前だなんてことはいけませんよ。法律違反ですから、それは。(発言する者あり)義務はありませんよ。
確認しましょう。では、免許証を見せる義務はあったんですか。もう一回言ってください。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
まず、私ども捜査をやっております者にとりましては、本人を特定しませんと捜査が進みません。したがって、免許証の提示を求めたら、ぜひ提示をしていただきたいと考えております。
それで、その際に、提示をしなかった場合に罰則があるかどうかということについて言えば、これは罰則はありません。したがって、私どもは任意で協力を求めているわけでございます。
ただ、それに対して国民の方々がどのような法律以外の義務を負っておられるか、これは別のことだと思います。
○河村(た)委員 そういうことで、提示義務はないんですよ。別にそんなもの、ちゃんと切符切ればいいんですよ。考えないかぬじゃないですか、この人を逮捕して、どういうことが起こって、彼の人生どうなるかと。
これは通行区分違反でしょう。(発言する者あり)切れますよ、そんなの。切符切れないですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
そのままでは切符を切るわけにはまいりません。
実は、ほかの違反ですと、犯罪ですと、本籍照会までやります。本籍照会をやりまして、我が国にこういう人が、この人物がおるということをまず確定しまして、その次に、この人はこれに該当するということを特定していきまして、それから立件していくわけでございます。
ただ、交通違反の場合には、免許証ということで、これは本籍照会をしなくても、顔写真入りで、かつ、そこに本籍も書いてありまして、したがってそこまでの必要はないということで、それで、免許証を確認した段階で、人物を特定した段階で切符を切っておるわけでございます。
○河村(た)委員 法律はそういうふうになっていないということと、やはり捜査側というのはすごい権限を持っておるので、結局、こういうのはほかにもあるんですよ。
それでは、ちょっと初めのところを読もうかな、逃亡のおそれというところですね。逃亡のおそれ、どういうふうであったんですか、実際。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたように、これを立件しようとしますと、人物を特定して、それで、この者が確かにこのようなことを行ったということを証明するわけですが、そうすると、この段階で、この人が確かにこの人だということがわからない段階ですから、そうしますと、その場で、現場を離れてしまいますと、この場合被疑者ということになりますけれども、被疑者に対して警察の捜査の手続というものがそれ以上事実上及ばなくなってまいります、あるいは困難になってまいります。そこで、この場合、説得をいたしましたが、これを拒み、その現場を立ち去ろうといたしますので、ここにおきまして逃走のおそれがある、これをもって逃走のおそれがあるというふうに認定したわけでございます。
○河村(た)委員 立ち去ろうとしたというのは、どういうふうに、どういう状況ですか、それは。
○矢代政府参考人 状況は、急いでいるなどと申し立てて立ち去ろうとしたということのようでございます。
○河村(た)委員 じゃ、この録音テープの前ですか、それは、あなた方が言いたいのは。逮捕するときに、急いでいると言って立ち去ろうとしたと。何で逮捕事実を言わないんですか。一言も言っていないじゃないですか、この中で。一言も言っていないですよ。
「道路交通法違反やっていうて、逮捕するんや」と。それからその後に、「逮捕するの、ね、逃亡のおそれがあるからですか、それは。現行犯逮捕でしょう?」と本人、被逮捕者が言っております。警察官が「なんで逃げよるんや、ほれ」、その被逮捕者の方が「逃亡のおそれがあるんですか、おまわりさん」、「ある、あるやない」、こういうやりとりがあって、その中で一回もそういうようなやりとりはないですよ、言っておきますが。
これは本人に聞きましたけれども、だから、再生してもらわないかぬのですよ。これはテープを聞くとわかるけれども、この「なんで逃げよるんや、ほれ」というところは、左手に手錠をかけられたために、本人もやはりびっくりしたと、さすがに、手錠をかけられて。それで、びっくりして、両方つけようとしたので、右手を払おうとしたという状況で、「なんで逃げよるんや、ほれ」と向こうが言った。テープを聞くとわかりますよ、大体そういう感じが。
全然違うじゃないですか、言っておる話が。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
私どもの担当者も昨日そのテープを一緒に聞かせてもらいましたが、それで、その「なんで逃げよるんや、ほれ」というようなことのようですが、これは多分逮捕に着手した後のことだろうと思います。私が申し上げましたのはその前のことでございます。
○河村(た)委員 前なら前で、本人は司法書士をやっておることもわざと言わなんだと言っていましたけれども、そうなるとかえって配慮するからいかぬで、本当の現場がわからぬからということでございましたけれども、やはりこれは来てもらわぬとわからぬですね。だから、こういうところは、やはりこの法務委員会としては、きっちり国政調査をするということで、再度、委員長にお願いしておきます。一言言ってくださいよ。
○石原委員長 聞かせていただきました、しっかりと。
○河村(た)委員 聞かせていただきましたといって、よくわかりませんけれども、理事の方、ぜひこれはお願いしますよ。
それから、時間が余りありませんので、取り調べのところがちょっとありまして、弁護士を呼ぶ権利というのがありますね。
○大林政府参考人 身体の拘束を受けた被疑者は弁護人を依頼する権利を有しているところ、刑事訴訟法第二百九条及び第二百十六条により準用される同法第七十八条により、警察官または司法警察員が被疑者を逮捕ないし現行犯人逮捕した場合において、被疑者が弁護人の選任を申し出た場合においては、直ちに被疑者の指定した弁護士または弁護士会にその旨を通知しなければならないとされております。
どのような場合に直ちに通知しなかったと言えるかについては、個々具体的な事情に即して判断すべき事項であることから、一般的にお答えすることは困難だと思われます。
○河村(た)委員 例えば今の場合、これは十一分二十秒たったところで、この被逮捕者の方が、「今これ当番弁護士に連絡しちゃだめなんですか?」というのに対して、警察官の方が「調べ終わってからや。あわてんでええがな。何もそんな。警察逮捕したら四十八時間も時間あるんやから、まあまちーな。」「あ、そうですか。」というやりとりがあるんですけれども、これはどうでしょうか。これは明らかに、弁護人選任権というんですか、これを侵害しておると思うんですけれども、どうですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
弁護人選任につきましては、今のお話のように、法に基づきまして、これは重要な権利でございますので、それを尊重した対応をすべきであります。
したがって、その申し出を受けました、この場合は警察官でございますけれども、直ちに被疑者の指定した弁護士または弁護士会に選任申し出があったことを通知するということになります。
ただ、逮捕を行いますと、これに伴いましてさまざまな手続が続きます。弁解録取をやりましたり、あるいは必要なものを差し押さえたりいたします。あるいは取り調べをいたします。そういうことでございますので、まず弁解録取など手続をして、その中で直ちにその手続をする、こういうことでございます。
○河村(た)委員 ここらはやりとりしておってもしようがないですから、ぜひ、本当に皆さんに聞いていただいて、警察は警察の言い分でこのテープに即して言ってもらわないかぬです。一方的に悪いと言っておってもいかぬので、お願いしたいんだけれども。
もう一つ、九分のところにも出てきますけれども、この被逮捕者の方が「これ、取り調べですか?ちょ、ちょっと待って下さい。僕ね、当番弁護士呼びます」、これに警察官の方が「それはあとで……」、こういうふうに答えられておるということでございまして、六法もどうも見せてくれなかったようですけれども。そういう状況においてつくられた調書ということでございますので、これは、ぜひ一遍呼んでもらわぬとわからぬところでございます。
それから、やはり手錠のところですね。手錠のところは、先ほど言いましたけれども、これでも当然なんですか、彼に手錠をかけてしまうのは。こういうことはよくあるんですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
まず、今回のものが当然であるかどうかということでございますが、これは、兵庫県警からの報告では、先ほど申し上げましたように、その必要があったのでそれを使ったということでございます。
それから、よくあるかということでございますが、いろいろなケースがありますが、一般に、街頭で被疑者を捕捉する場合には手錠を使うことは多いことではございます。
○河村(た)委員 しかし、本当に、彼はそのままパトカーに乗せておるわけでしょう。その前とか、抵抗か何かしたんですか。もっと重い罪、殺人罪とかそういう場合は、これは抽象的に、逃げた方の利益が大きいかもわかりませんけれども、彼は道路交通法の通行区分違反で、本人も認めておるのに、これは逃げるんですか。手錠をかけるほどの、そういう逃走の危険性があるんですか。どう思いますか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
手錠を使ったことにつきましては、先ほど申し上げましたように、兵庫県警から、これはその必要があって手錠を使ったということで報告を受けております。
○河村(た)委員 必要があって必要があってと言いますけれども、この犯罪捜査規範は間違いないですね、これはおたくのものですから、何遍も言いますけれども。
二重に確認しておきますが、こんなこと当たり前ですけれども、一つは、犯罪捜査規範の二百十九条ですね、交通法令違反の事件の捜査を行うに当たっては云々で、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない、こういう規定があることは事実ですね。二百十九条にこういう規定があるんです。
それからもう一つ、百二十七条に、先ほど言いましたけれども、たとえ被疑者が逃亡し、自殺し、暴行する等のおそれがある場合においても、他にこれを防止する適当な方法があればこれによるべきであって、手錠等の使用は必要最小限度にとどめなければならないことは言うまでもない。これは警察庁の本ですよ。間違いないですね。これはほかに、これしか、手錠をかけるよりなかったんですか。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
これは警察活動すべてにわたることでございますが、必要な実力行使というのは必要最小限でやるべきでありまして、そのように、この条文もそれを映したものでございまして、その解説もその考え方を示しております。
○河村(た)委員 承服できるわけないじゃないですか、こんなもの。むちゃくちゃですよ、こんなことをやられたら。
もう一回ちょっと、必要だと言いましたけれども、この犯罪捜査規範に照らして、逮捕を行わないようにしなければならないのに、なぜ逮捕したか。今言われたことでもいいですよ。それから後の、手錠をかけたところ、ちゃんと文書にして提出してください、きちっと説明して。
○縄田政府参考人 手錠及び捕縄の使用につきましての一般的なお尋ねでございますので、お答え申し上げます。
今、当庁のいろいろ物の考え方、委員の方からもお話がございました。交通局長からも答弁がございましたけれども、あくまでも、警察の権限行使につきましては、常に最小限でやっていくというのが原則だというのが基本原則であります。捜査につきましても、基本的には任意捜査というのが基本原則、そういう原則になっております。
そういったところから、必要に応じて、逮捕するものは逮捕するということでございますが、今お伺いしておりましたところ、通行区分違反ということで、あれはたしか三月以下で罰金もついておる犯罪行為であります。これにつきまして、氏名をはっきり名乗らずに現場から立ち去ろうとした場合というのは、これは現行犯でありますので、これにつきまして警察官がその場で逮捕行為をするということは、これは通常のことだろうと思います。そのまま逃走させるということになりますと、これは警察官としての責務を全うしていないということだろうと私どもは考えています。(河村(た)委員「氏名、名乗っとるよ」と呼ぶ)
その氏名につきまして、確認できないということであります。本人が免許証を持っておるということで、それを提示されれば十分私どもの目的は達せられるにもかかわらず、長時間説得した中でのことでありますので、私どもといたしましては、逮捕あるいは手錠をかけるということにつきまして、これは現場の、その場の状況判断があろうかと思いますけれども、適切であろうと考えております。
○河村(た)委員 もう最後にしますが、承服できないということと、それから、もう一つ尋ねているので、これは一遍、このところで携帯電話なんかで連絡をとったりしてやってきたと思うんですよね。その中でどうやって署長にその報告が上がっていて、決裁といいますか、どう決裁されて、それが本部長に行って、警察庁、どう言ったか知りませんけれども、その対応をきちっと報告してほしいんですけどね。
○矢代政府参考人 お答えいたします。
本件事案につきましては、現行犯逮捕がなされた後、所要の手続がなされ、この手続は、先ほど申し上げましたような逮捕に伴う一連の手続でございますが、そして、警察署長の指揮によりまして、同日、被疑者の釈放がなされたということでございます。
なお、翌日付で、警察本部に対して本件報告がなされたということでございます。
○河村(た)委員 そこを、所要の手続を教えてくれということと、この方は不起訴になって、罰金の前の、反則金まで払わぬでもよくなっているんですよ。そうですよね。そういう方に手錠をかけたということですよ。
だから、とにかく手続をしっかり教えてください。それだけ答弁してもらって、終わりでいいです。
○矢代政府参考人 お答え申し上げます。
本件は現行犯逮捕でございます。現行犯逮捕いたしますと、これをまず引致いたします。それでその後、まず弁解の機会を与える必要がございますので、弁解録取の手続をとります。(河村(た)委員「交通課長からどうしたとか、そういう話です。そんな法律上の手続じゃなくて、実際の動き、後で報告してくれていいです」と呼ぶ)はい。
この事案につきましては、これは当時の警察署内の体制の中で行っておりますので、その中での指揮、捜査を指揮する者がこれを指揮して、所要の手続を進めたということになります。
○河村(た)委員 では、きちんと報告してください。
終わります。