164--法務委員会-17 平成180414

 

○石原委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村たかし君。

 

○河村(た)委員 河村たかしでございます。

 これは、西川さん、それから石原委員長もちょっと聞いていてほしいんですが、何で名古屋刑務所の話が出てくるかといいますと、これはもう三年前になりますかね、この委員会で、全党一致で、要するに刑務官が暴行したということを前提として、自民党さんも、名前は言いませんけれども、殺人事件だというところまで言いました、刑務官の名前を挙げて、実名で。ほとんどのマスコミがそういう報道をして、日本国民の皆さんも全部そう思っている。それが前提となってこの法案ができているということです。

 その会議録のところをちょっと読みますと、行刑改革会議の第一回会議録というのがあるんですが、平成十五年四月十四日、森山法務大臣が、森山さんみえますね、本人に後で聞いてもいいですけれども、これは本当に語られたと思いますけれども、森山法務大臣が、一連の名古屋刑務所事件を深刻に受けとめ、この事件を契機にあらわとなったさまざまな諸問題を解決し、国民の矯正行政への信頼を回復するためには、行刑運営のあり方を徹底的に見直して、抜本改革を行わなければならないということですが、本当はちょっと聞いてもいいんだけれども、これは聞けぬですか、手続としては。

 では、述べられたということで、そのとおりですということをどなたか御答弁いただけますか。

 

○小貫政府参考人 先生が読まれた会議録にそういう記載があって、恐らくそういう発言があったというふうに私は思っております。

 

○河村(た)委員 森山先生もそこにみえて、何遍も、何年間もやっておるんですけれども、この問題というのは、これは間違いございませんね、言われたことは。小さいながらも、そうですと今言われましたけれども、要するに、この法律の一番原点となった、契機となったということは事実なんです、委員長。

 だから、名古屋刑務所の刑務官八名ですけれども、これが本当に暴行であったのか、いや、事故であったのか、これは以後の法律の立て方が全然変わってくるわけですね。

 仮に暴行だったら、再発防止の場合、例えば刑務官の研修とか、そちらの方へぐっと進みます。それから内部監察、そういうものをすごく強化しようというふうにまずいきますよね。

 事故だったら、施設をどうするか、革手錠をどうするのか、それから、ふん尿まみれになっておった受刑者がおるんだったら、そういう場合、どうやって処遇したらいいかとか、もし転倒事故だったら、フロアがかたいんじゃないか、だから、転倒しても事故が起きないようにどうしたらいいか、こういうふうに変わってくるわけですよ。

 ところで、この話というのは、一方、裁判をやっていますから、私もほとんどの裁判を傍聴に行っております。実はきょうもやっております。これになっちゃったから行けませんでしたけれども。私も社会的責任がありますし、人を暴行だと言って、何の根拠もなく、それも国会という場で、僕は呼び捨てにしませんでしたが、呼び捨てにされた方は大変ようけおみえになります。言った以上は、やはり最後まで、それが本当ならいいですよ、もし違っておったら、冤罪に加担するというのは、私は人生の生き方の中では最低の男の生き方だと思いますので、とことんこれは真相究明する、八名を助けるということでやっておるんです。

 法務省がいつも言うのは、裁判をやっているから、犯罪の成否については裁判を待たねばならない、こう言っていますね。これは当たり前のことなんですよ、犯罪の成否は。しかし同時に、お伺いしたいのは、再発防止に向けた、有罪無罪とは関係ないですよ、再発防止に向けた真相究明義務、これは前にも答弁していただいておりますけれども、法務省にあると思いますけれども、ちょっともう一回答弁していただけますか。

 

○小貫政府参考人 法務省といたしましては、一連の名古屋刑務所事案につきまして、これまで可能な限りの行政上の調査を行いまして、同事案が事故か暴行かにかかわらず、必要な対策をとってまいりました。

 調査の結果、現時点では、これまで国会に御報告申し上げた内容に追加して報告する内容は把握しておりませんが、今後とも、公判の推移を見守りつつ、必要な調査等を実施してまいりたいと考えております。

 

○河村(た)委員 ところで、きょうは国土交通省の事故調に来ていただいておりますので、鉄道事故、航空事故等、この間はJR西日本の大変痛ましい事故が起こりましたが、事故調の調査というのは裁判とどういう関係にあるのか、ここをまずちょっと答弁していただけますか。

 

○福本政府参考人 お答えいたします。

 航空・鉄道事故調査委員会は、国家行政組織法八条に基づきまして国土交通省に設置されてございますが、航空事故及び鉄道事故の事故原因の究明を図る、さらには事故の再発防止を図るというために設置されておる機関でございますので、いわゆる裁判と申し上げますか、刑事手続とは一線を画すものでございます。

 

○河村(た)委員 一線を画すということは、司法の判断を待たず、これは当然だろうと思います。なぜかというと、もし裁判で運転士なら運転士の責任が確定するまで真相究明されないというと、恐ろしくてJRに乗れませんよ。こういうことですから、裁判の有罪無罪とはまた別個に、独自に、なぜこうなったのかという事故の真相、事実を明らかにするということでいいですね。

 

○福本政府参考人 お答えいたします。

 私どもの調査対象はあくまでも事故であるということでございまして、明々白々にいわば事件であるというようなものにつきましては、私どもの調査は差し控えるということだと思います。

 

○河村(た)委員 差し控えるといいますか、とにかく司法とは別個に事実認定を行う、それだけちょっと言ってください。

 

○福本政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、私どもは、私どもの設置法にも書いてございますが、独立機関でございまして、そういう意味では、独立して事故原因の究明及び再発防止を図るというものでございますので……(河村(た)委員「真実を明らかにする、報告せないかぬでしょう」と呼ぶ)そういうことで、国土交通大臣に報告をいたしますとともに、広く国民に公表しておる……(河村(た)委員「真実を明らかにすると言ってください、条文に書いてあるから」と呼ぶ)事故原因の究明ということで、私どもとしては、委員御指摘のように、それが真実だとは認識はいたしております。

 

○河村(た)委員 こういうことなんですよ。裁判とは全く別なんですよ。言ってみれば、当たり前なんですよ。

 それで、事故調にもう一回聞きますけれども、実地検証というんですか、これがまず第一歩でしょうね。ここに一つあるんですけれども、もう次の日かその次ぐらいに現場に行ってみえますね。JR東日本の羽越線事故、平成十七年十二月二十五日に発生し、十二月二十六日に委員を現地に派遣、こういうことがありますので、まず現場に行って実地検証する、それが真相究明の第一歩である、これは間違いないですね。

 

○福本政府参考人 お答えいたします。

 私どもの事故調査に当たりましては、いわゆる初動調査というものが極めて重要でございます。そういう意味で、委員御指摘のように、事故が発生いたしました場合には、直ちに事故調査官を現地に派遣いたしまして、情報の入手、あるいは物件の収集、あるいは事情聴取といったようなことをやってございます。時間を置きますとどうしてもその辺の証拠等々の散逸というのがございますので、なるべく早く現地に赴いておるということでございます。

 

○河村(た)委員 そういうことです。これは当たり前のことですよ、だれが考えたって。

 それでは、矯正局、十二月、五月、九月と三つ事故がありましたけれども、直ちに現地調査をやりましたか。

 

○小貫政府参考人 先生がおっしゃるのは、実地検証というのは現場検証という意味でよろしいでしょうか。(河村(た)委員「はい、そういうことです」と呼ぶ)

 九月事件については、関係者等から事情聴取をし、現場を見たというふうに聞いておりますが、それ以外のものについてどうであったか、今のところ定かではありませんので、調査の上、何らかの形で先生に御報告申し上げたいと思います。

 

○河村(た)委員 こんな状況なんですよ、言っておきますけれども。九月も現場に行っていないじゃないですか。九月はビデオがあるでしょう。

 役人はかわるもんで、本当に申しわけないけれども、これは前の矯正局長に聞きたいんだけれども、大林さんは矯正局長じゃないけれどもそこにみえるので、大林さんとやっているからいいんだけれども、実は、九月というのはビデオがあるんですよ、保護房ビデオが。保護房ビデオのとおり、なぜ検証しなかったんですか。それをやったんですか。ビデオがあるんですよ。

 

○小貫政府参考人 ビデオがあることは私も承知しておりますが、あのとおりに実験、再実験等を行ったという事実はなかったように承知しております。

 

○河村(た)委員 こんなむちゃくちゃなことをやって、これは国会議員の皆さんも、言っておきますけれども、漆原さんも、まあ僕らも同じだけれども、みんな暴行だと言って、漆原さんも質問していますよ。そうでしょう。そうだよと言っておられますよ。

 言っておきますけれども、国会議員、全部税金で食って、これが発信されて、マスコミを通じて全日本の皆さんに一定の意識を持ってもらうことになるんですよ。それが、何か事故が発生したとかあったときに、全然現場検証をしていないんですよ。一方的に刑務官の暴行であるということをどんどこどんどこ流されて、全員そう、自民党も含め共産党まで全部やったんですよ、これは。

 余り言うと感じが悪いけれども、民主党は十倍以上の放水実験をやってしまった。これは謝罪をしていますけれども。本当ですよ。それで、裁判なんか、〇・六キロを高圧放水と認定している。一けた間違えたんじゃないかという話ですよ。〇・六キロといったら、水道の水より低いんですよ。それを高圧放水と判決に書いてあるんですよ。その一番原点となる皆さんが実地検証をしていない。これは一体、どうなんですかね。

 刑務官を告発しましたね。その根拠。

 

○小貫政府参考人 告発はいたしております。

 告発の根拠をまず九月事件から御説明申し上げますと、あの事故、事故というか、いや、事案と申し上げます。(河村(た)委員「いや、事故と本当に言われたら、それでいいんですよ」と呼ぶ)経過から御説明して、その根拠にお答え申し上げたい……(河村(た)委員「時間がないので端的に。済みません、委員長、告発の前提として実地検証をやられたかどうか、それを聞きます」と呼ぶ)

 先ほど申し上げたように、実地検証、現場検証というのを刑事手続のようにはやっておりません。ただ、現場を見たという事実はあった、こういうことでございます。

 

○河村(た)委員 見たといっても、何を見たのか知りませんけれども、保護房なんかは見ればだれでも見えるので、そういう意味でしょう。

 ちょっと答弁がごちゃごちゃになるといかぬから、事故のいろいろな経過をちゃんとやって、そうやって見たんじゃないでしょう、それは。

 

○小貫政府参考人 先生がおっしゃられるような形での現場検証というのはなかったと承知しております。

 

○河村(た)委員 本当にいいんですか。誣告罪ってあるけれども、危ないですよ、これは本当に。現場検証も一切せずに、それは簡単にできますね、言っておきますけれども。なぜかというと、自分のところの省ですから、部下のことですから、ほかのところじゃないですからね。事故調の場合は、まだ一応、JRは別ですよ。だけれども、矯正局長からすると、刑務官というのは全く部下ですよ。だから、簡単にできるでしょう。

 

○小貫政府参考人 九月事案につきましては、事案の重大性や、あるいは公明性を保つために、名古屋地検に捜査を依頼することが適当だとしてそちらの捜査の俎上にのせた、こういう経過もありまして、刑務所施設での検証というのは行われなかった、こういうことでございます。

 

○河村(た)委員 もう時間がないので、ちょっと大臣に。

 きのう、ちょっとお手紙を、読んでいただいておりますか。これは資料としてどうなるのかな、読んでもいいが、また次のときに言いますけれども。

 悪いですけれども、余り自分のことを言いたくないのですけれども、暴力団関係者が平成十五年九月二十二日にうちに来て、私もあのとき野党の筆頭をやっていましたので、やはり刑務所のことだったら、警察関係はやめてくれと言っていました。しかし、国会議員というのは国民の声を聞くのが仕事ですから、暴力団関係の方でも、やはり刑務所のことで言いたいと言うのならどうぞ来てほしい、ただ一対一は嫌だ、それから変な場所で会うのは嫌だということで、二名、うちの事務所へ来るというので、話を聞きました。

 その前に、街宣カーに乗りつけられて、うちの小さい会社を、四年前に息子がやりかけましたので、今は退社しておりますけれども、小さい会社の方にも街宣カーが来て、その当時、犯人不詳ですが、そのころ車一台とられて、私、何十年もやっていますけれども一度もありません。それから、かぎが壊された。それから、これもまたわかりませんけれども、私のところに、河村、出てこい、ばかやろうというのがあったことは事実でございます。

 その方が、お見えになった暴力団関係者が私に、君は西の方では誤解されている、国会議員の地位を使って裁判に圧力をかけようとしているということを、ずっとまだありますけれども、そういうふうに言われたことは事実なんです。これは事実なんです。

 それで、うちの家族もびびっておりましたよ。だけれども、うちのおふくろは去年亡くなりましたけれども、うちのおふくろが、初めはびびっておったけれども、暴力団に負けるな、刑務官を助けてやれと言って、私もそういう気持ちでしたので徹底的にやっておりますけれども、こういう実地検証もしていない状況で、一方的に暴行があると言って、暴力団関係の人が誤解しているんですよ。おまえは誤解されていると私は言われているんだから。誤解を正してもらえぬですか、大臣。

 

○杉浦国務大臣 委員の四月十二日付私あての書簡は、ちょうだいしまして、拝読もいたしております。国会議員として正当な活動をされている委員に対しまして、今御指摘になり、書簡にあるような事態が生じているといたしますと、甚だ遺憾な状況であると考えております。

 法務省といたしましては、名古屋刑務所事案について、これまでも必要な調査を実施してまいりましたが、今後も、必要に応じ、実施を行ってまいりたいと考えております。

 

○河村(た)委員 最後にしますけれども、これはぜひ委員長にも、皆さんで検討してほしいんです。こういうことで、今この八名の刑務官はみんな地獄ですから、子供が小さいし。

 それと、私のことで申しわけないけれども、ちょっと大臣、もう一歩踏み込んでいただいて、調査、調査と言いますけれども、事故も含めて実地検証する、これを答弁してください。

 

○杉浦国務大臣 現在、事案については裁判が行われております。裁判においては、起訴事実に対しまして、事故の可能性も含めて審理が続いていると承知しております。法務省におきましても、可能な範囲で、必要に応じ、調査を実施してまいりたいと考えております。

 

○河村(た)委員 それはいかぬのですよ、何遍も言っておきますけれども。本当に一遍ちょっと、この次にやりますけれども、犯罪の成否を問いますけれども、裁判所でやるのは有罪無罪の話ですからね。これと行政調査は全く独立なんですよ、さっき事故調が言ったように。そんなことを言ったら、受刑者は怖くて刑務所に入れませんよ、本当の事実が何であったのかわからないと。

 なぜ事故調がやるかといったら、それは国民の皆さんがJRに乗るから心配だからでしょう。皆さん、何でこの事故が起きたかはっきりしなけりゃJRに乗れないじゃないですか。刑務所の場合は、現場の刑務官を、一番下の連中だし、軽く見ているんじゃないですか。それから、受刑者の場合は、再発防止を軽く見ているんじゃないですか。

 時間もありませんからこれでやめますけれども、また次にやりますので、調査をすると、ぜひはっきり言ってもらわないかぬ。これは絶対に職務怠慢の罪が何かあると僕は思いますよ。調査しなかったら、告発せんならぬかもわからぬ、ほかっておいて裁判に丸投げするんだったら。

 こういうことで、一応終わります。