164--法務委員会-5 平成180314

 

○石原委員長 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。河村たかし君。

 

○河村(た)委員 河村たかしでございます。

 最初に、平岡さんとか高山さんの御要望によりまして、委員長とか与党に抗議してくれと言うものだから、ちょっと一言申し上げます。

 先ほど理事会で、この執行猶予者保護観察法の一部を改正する法律案要望事項というのが、こちら側の与党の反対で委員長からの発言が認められなかったということでございまして、まず杉浦大臣の御見解をお伺いしたい。

 これは、読んでくれと言われておりますので。こんなのは当然認めていただけば結構だと思うんですが、

 一 保護観察に付された者に対する指導を一層効果的にするための措置が整備されたことを踏まえ、保護観察制度の実効性を確保し、保護観察に付された者の速やかな更生を図るため、保護観察官の増員と専門性の向上等、保護観察所の人的体制の整備充実を図るとともに、保護司の選任方法その他の保護司制度の在り方について検討を加え、その結果に基づき必要な措置を講ずること。

 二 保護観察に対する再犯防止機能の強化を望む国民の期待に応え、保護観察に付された者の個々の特性に応じた処遇の個別化を一層効果的に実現するため、判決に保護観察所の意向が考慮される判決前調査の制度の導入を検討するなど、保護観察制度の充実強化に向けた抜本的な仕組みの改善を検討すること。

この文言が与党の反対でどうも入れられなかったようでございますが、大臣、どうですか、これは。至極真っ当だと思うんですが、御見解をお願いします。

 

○杉浦国務大臣 ちょっとお伺いしますが、これは政府側が反対をして入れられなかったんでしょうか。(河村(た)委員「与党ですな」と呼ぶ)それは委員会の内部で御検討いただいた結果でございますので、政府の立場で意見を申し上げることは差し控えさせていただきます。

 

○河村(た)委員 そう言わずに、では、このことを私が今申し上げた場合に、この内容についてどういう御見解がございますか。

 

○杉浦国務大臣 保護観察官の増員は願っておるところでございます。専門性の向上には努力してまいりましたし、今後とも努力いたしてまいります。人的体制の整備充実、保護司の選任方法その他の保護司制度のあり方についても検討をいたしておりますし、必要な措置を講ずるのは、これは私どもだけでできないこともございますが、努力をしていきたいと思っております。

 私どもの取り組んでおることと基本的に反することが一項には記載されてはいないと思います。

 二項目は、裁判所との連携が一層円滑に行われるというのはどういう意味かわかりませんが、裁判所は司法権を、三権の一つを担っておられるわけでありまして、表現としていかがなものかと思いますが、保護観察制度の充実強化に向けた抜本的改善は願っておりますし、一生懸命努力したいと思っております。そんなところでございます。

 

○河村(た)委員 これは両方中身は合意しておるらしいんだけれども、何で……(発言する者あり)いや、そうらしいよ。西川さん、そうでしょう。西川さん、答弁しますか。委員長提案にこういう要望事項をつけたことも過去あるらしいんですよね。だから、何で大臣までええと言っとるものをわざわざ外したのか、これはどういうことですかね。

 委員長、どう思われるの、これ。

 

○石原委員長 理事会決定事項であると委員長は承認しておりますので、詳細につきまして委員会の場で委員長の口から申すのは適切ではないと考えております。

 

○河村(た)委員 すぐ理事会だと言いますけれども、理事会なんというのは別に法定の機関というものではありませんので。

 では、委員長の個人の御意見、どうですか。リーダーシップを強く持っていただいてええんですよ、委員長。

 

○石原委員長 私は、議事の円満なる運営を図ることを委員長のモットーとしておりますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。委員になりましたとき、また御議論をさせていただければと存じます。

 

○河村(た)委員 本当はいかぬのだけれどもね。委員長というのは、もっと立派で、自分でどんどん引っ張っていけばいいんですよ、本当は。しかし、長年の慣行でございますので。本当は西川さんに答弁してもらいたいけれども、そうなっとらぬもので、どうしようもないので終わりますが。

 そんなことでございますので、ぜひ、何があったか知りませんけれども、内容のいいものはどんどん取り上げていっていただく、そういう方向でやっていただきたいということでええかな。(発言する者あり)はい。

 それでは質問に入りますが、性犯罪が、特に子供さんに対する非常にお気の毒な事例が多くありまして、そのことにつきましていろいろお伺いしたいと思います。

 まず、初めは淡々と数字を伺っていきます。

 最新データ上、強姦、強制わいせつなどの性犯罪の検挙人員数は何人になるでしょうか。

 

○縄田政府参考人 平成十七年中の強姦及び強制わいせつの検挙人員でございますけれども、それぞれ、千七十四名と二千二百八十六名となってございます。

 

○河村(た)委員 今の数字のうち、前科を有する者は何人いるか。さらに、同一の罪種の前科を有する人は何人おりますか。

 

○縄田政府参考人 以下、暫定値になりますけれども、強姦及び強制わいせつの検挙人員のうち前科を有する者は、強姦では三百五十名、先ほどの数字の三二・六%になります。強制わいせつにつきましては六百五十五名、二八・七%でございます。そのうち同一罪種の前科を有する者は、強姦では百一名、これは九・四%、強制わいせつでは二百二十八名、一〇・〇%でございます。

 

○河村(た)委員 今の数字のうち、十三歳未満が被害者となった犯罪について、前科を有する者は何人いるか。さらに、同一罪種の前科を有する者は何人おるでしょうか。

 

○縄田政府参考人 十三歳未満の者を対象とする強姦または強制わいせつ事件で検挙された者、これは強姦では四十六名、強制わいせつでは三百七十三名おりますけれども、このうち前科を有する者は、強姦では十八名、三九・一%、強制わいせつでは百十名、二九・五%であります。さらに、このうち同一罪種の前科を有する者につきましては、強姦では七名、一五・二%、強制わいせつでは五一名、一三・七%でございます。

 

○河村(た)委員 強制わいせつだと半分ですか。六百五十五名のうち三百七十三名ですか。これはやはり相当多いということなのか、どうなりますかね。

 

○縄田政府参考人 多いか少ないかという、なかなか評価が難しいことがあろうかと思いますけれども、ただ、私ども、実感として申しますと、やはり性犯罪というのは若干、再犯といいますか、同じような犯行が繰り返されるケースが多い罪種の一つというふうに理解をしてございます。

 

○河村(た)委員 それと、あれでしょう、この性犯罪というのは、出てくるものより、要するに隠れた部分、届け出されない部分というのがやはり非常に多いんでしょう。だから、はっきりそういうのもわかってみえるから、大変多いと言われた方がいいんじゃないですか。

 

○縄田政府参考人 性犯罪の場合、暗数が多いというのは確かにあろうかと思います。それともう一つは、先ほど申し上げました、一応、立件、検挙といいますか、公然と私どもが理解し事件検挙した中で罪種別に見ると、やはり性犯罪の場合は若干他の罪種よりも再犯率が高いのかなというのは、データ的にはあろうかと思います。今、ちょっと手元に持ち合わせがございませんが。

 

○河村(た)委員 次に、最新データで、性犯罪による受刑者数は何人か。また、各犯罪別の内訳を明らかにしてほしい。

 

○小貫政府参考人 平成十六年末、在所受刑者のうち、強制わいせつ、同致傷は六百八十九名、強姦、同致傷は千八百二十七名、強盗強姦、同致死は四百三十四名、わいせつ、わいせつ文書頒布等は七十八名、このトータルが三千二十八名となっております。

 以上です。

 

○河村(た)委員 三千名ですが、現在、性犯罪者の教育のためのプログラムを実施している施設は十六施設しかないと聞くけれども、プログラムの受講者は何人おりますか。

 

○小貫政府参考人 実施施設は先生御指摘のとおりであります。ここでこの指導プログラムを実施した人数でございますが、平成十五年度百二十五名、平成十六年度は百六十九名、こういう受講者数になって……(河村(た)委員「パーセントをちょっと」と呼ぶ)ちょっとパーセント、数字を計算してまいります。失礼しました。

 

○河村(た)委員 三千名で百二十ということは、三百が一割ですから、大体百五十名ですと五%ぐらいということですね、実際。何かえらいプログラムと大げさなことをいろいろ言っておりますけれども、わずか五%しか受講していないということです。

 これは一体どういうことですかね。何でこんなに少ないんですか。

 

○小貫政府参考人 御指摘のとおり、受講者割合、少のうございます。これは、この性犯罪プログラム、本格的に研究会を立ち上げていろいろ検討して、本年四月から実施していく、こういう運びになってございます。

 これは、いろいろな事案が生じてきたということとともに、昨年の五月、受刑者処遇法ができ上がりまして、受刑者に対して教育処遇を義務づけることができる、こういうことを受けまして、先ほど申し上げたような研究会の発足に至りまして、それで今回、昨年の十二月でございましたか、公表したようなプログラムを作成した、こういう経過でございます。

 

○河村(た)委員 いや、それだけの理由ですか。局長は偉い人だと受け取っておりますけれども、本当の現場の刑務官たちが苦労しておるというか、認識は、何で少ないかわかりますか。どうですか。局長は偉い人で、もしわからなんだら、現場の刑務官がおられたら、それでもええですよ。

 

○小貫政府参考人 一つは、全国的に統一した標準的なプログラムができていなかったということが一点あろうかと思います。さらにまた、行刑施設は大変な過剰収容の状態で、極めて現場が忙しい、こういう事情もあったろうと私は考えております。

 

○河村(た)委員 それは違うんですよ、申しわけないけれども。

 行刑の現場というのは、本当の現場の刑務官と刑務官の中のエリート、偉い様、それともう一つ、局長みたいな検事出身のまた超偉い様と三つに分かれておって、ほんまものの実際に処遇に当たっておる人たち、実際の現場、そこの話がわかっておらぬよ。

 なぜ三千人のうち五%、百二十人ぐらいしか性犯罪者の矯正プログラムに参加しないか。ちょっと法務省の人、どなたか答えられる人はおらぬかね。まだ重大な理由があるんですよ。わからぬかね。局長、わからぬならわからぬ、そう言ってちょうだいよ、知りませんと。

 

○小貫政府参考人 私が認識していたところは、先ほど説明したところでございます。

 

○河村(た)委員 だれか、きょう刑務官は来ておらぬですか。法務省、刑務官の上の人があるんですよ。きょうは来ておらぬですか。では、教育の方の関係の方はどなたになるかな。答えてもらってもええですよ。わからぬ、これ。

 これは、あれなんですよ、刑務所の中でもみんな一種のステータスがありまして、やはり性犯罪というのは内部で非常に、おまえ何だということがあるんですよ。だから、そこへ出ていくとわかっちゃうんですね、自分が、受刑者として。その苦しみがあるわけです。だから、一番そこで苦労しておるのが本当の現場の刑務官たちなんです。それをわかっておらぬでしょう、局長。この話、一遍も聞いたことないですか。ちょっと答弁してちょうだい。

 

○小貫政府参考人 きょうはよく勉強させていただいた、こう思っております。

 

○河村(た)委員 本当に、私も名古屋の刑務官の冤罪問題をやりかけてから、みずから志願兵として法務委員会にずっとおるんです。自分が関与しましたので、彼ら八名の無罪を晴らすために、それまでは、一たんかかわったことだから、自分の責任だと思ってこれをやっておるんです。

 本当に、あれでもそうですけれども、実際は事故だった。それが、上役というのはみんな偉い様になっておるわけですよ。無事故表彰なんかあって、要は事故を怖がる。自分の顔に傷がつくということで、一番末端の部分はおまえらがやっておることで、自分らで責任をとれと故意犯にしたのが名古屋刑務所の事案ですよ。

 そんなことで、今もわかりましたように、本当に現場は、要は性犯罪者に対するいじめがあるわけ、わかると。

 ちなみに、その世界でこの性犯罪者のことをどう言うか知っていますか。このくらい知らぬかね。

 

○小貫政府参考人 申しわけありませんが、寡聞にして知りませんでした。

 

○河村(た)委員 ぜひ、こういうのを機会にして、これは豆泥棒と言うんです。例えばそういう言い方とかして、受刑者の中の苦しみがあり、それで現場の刑務官たちは受刑者同士のいじめと必死になって闘っておるわけですよ。弱い受刑者を守るというのが、実は刑務官の最大の仕事なんです。

 私もちょっと聞きましたけれども、河村さん、受刑者にとってだれが一番怖い人かわかるかと昔言われたもので、あんたたちじゃないかと刑務官に言ったんです。違いますよと、内部でこういう陰惨ないじめがあるんだ、それから私たちは弱い受刑者を守るんだということが最大のつらい厳しい仕事なんだと言っていましたので。

 そういう立場で、局長、偉い人は偉い人でええけれども、ぜひしっかり現場の苦しみをひとつ、もう一回ヒアリングしてやってくださいね。ちょっと答弁してちょうだい。

 

○小貫政府参考人 そのように努めさせていただきます。

 

○河村(た)委員 そうしたら、今の性犯罪者処遇プログラムというのをやってみえますね。私も、「刑政」というんですか、ここで橋本さんが書かれたのを読みましたけれども、これは、受講者については全員になるのか、今言った話で。今のところ五%ぐらいなんでしょう、何とびっくりすることに。それから、プログラムの実施施設なんかをふやすのか、この辺はどうですか。

 

○小貫政府参考人 新しいプログラムにつきましては、初年度は全国の二十庁の施設で実施するという予定にしてございます。二十庁のところに該当する対象者を集める、こういうことでございます。まずは、罪名あるいは事件内容、常習性の高さ、さらには性犯罪につながる問題性の大きさ等から受講が必要と判定された者を対象としたい、このように考えております。今の見込みでは五百名程度になるかなというふうに思っているところでございます。

 

○河村(た)委員 全員ではないわけですね。

 

○小貫政府参考人 必要性の高い者からやっていく、こういう考えでおります。

 

○河村(た)委員 では、次ですけれども、刑務所などのいわゆる行刑施設を出所した後、同一の性犯罪を繰り返して再度入所するに至った者の人数及び割合、これを教えてちょうだい。

 

○小貫政府参考人 平成十三年の一年間に出所した性犯罪受刑者、これは七百七十六名でございました。これが、再び性犯罪を犯したことによりまして出所年を含む三年間に行刑施設に入所した者は、五十六名でございます。割合は、七・二%ということになってございます。

 

○河村(た)委員 処遇プログラムがあるんですけれども、どういうことを実際やっておるのか。大層立派なことがこの「刑政」には書いてありますけれども、本当にカウンセリングみたいなことをやっておるのか。何か一つ二つ、名前は当然言わぬでもいいですから、こういう事案に対してはこういうような矯正プログラムを具体的にやっておるというのをちょっと教えてもらえぬですか。

 

○小貫政府参考人 具体的になるかどうかわかりませんが、基本的には、犯罪行為を基準じゃなくて、犯罪者といいますか、人を基準にしてプログラムを構築している、こういう前提がございます。

 これは、諸外国で効果があったと言われております認知行動療法というものを基盤にして構築したプログラムでございまして、具体的に言いますと、自己統制能力がどうか、あるいは認知のゆがみがどうか、その改善方法はどうすべきか、対人関係と社会的な機能、あるいはみずからの感情を統制する、そういうスキルはどうか、あるいは、ともに感ずるといいますか、共感と被害者の理解、この能力がどうか、こういった科目を受講科目にいたしまして、まず、それを必要とするような人の選別を心理技官がやって、そのプログラムを受講していただく、こういうことでございます。

 

○河村(た)委員 せっかくですから、具体的に、それは言っておいたはずですけれども、例えば小学校の女の子にいたずらをした、そういうことがあったかどうか知りませんけれども、そういう方が仮に更生したなら、こういうプログラム、こういうカウンセリングによってこうなったというのをひとつ教えてもらえぬですか。

 要するに、全然信じられぬということです。何か御立派なことをおっしゃられておりますけれども、そんなものなのかと。この研修もほとんど刑務官でやっておるわけでしょう。まず、それをちょっと聞きましょうか。

 

○小貫政府参考人 当面、このプログラムをリーダーとしてやっていく者としては、法務教官の資格を持っている者あるいは心理学の専門家、さらには民間のカウンセラー等々を今のところは予定して、今研修をしているところでございます。

 

○河村(た)委員 これは、今の「刑政」というものを見ると、性犯罪者処遇プログラム研究会、矯正ワーキンググループメンバー及びアドバイザー、これをずっと見ますと、これは全部刑務官じゃないですかね。だから、それはそれでいいんですよ、熱心にやるのはいいけれども、これはまた違う方向がありますよ。医者の方向もありますね。これは厚生省になるかどうかですけれども。

 立派なものをやっておられるようですけれども、本当に、実際、実効性があるのか。プログラム、プログラムと英語ばかり使えばいいというものじゃない。全部刑務官だけで大丈夫かということと、実際に何か一つ成功したのを出してくださいよ、こういうケースに対してはこういうことをやっておるんだというのを。

 

○小貫政府参考人 ただいまお答え申し上げているプログラムは、来年度から実施するということで説明申し上げたものでございます。

 では、従来のプログラムと呼んでいるものは何であったかというところが問題なんだろうと思うんですが、実のところ、そのプログラムが、科学的知見やあるいは医学的な分野からきちんとした知見を得た上でのものでは必ずしもなかったというふうに私どもは反省しております。

 中心は、被害者の視点を取り入れたといいますか、被害者はこんな苦労をしているというようなことを、プログラムの中といいますか、いろいろ講義の中で教え込んでいくというものが中心であった、こういう認識をしているところでございます。

 今度は、いろいろな専門分野の方に集まっていただいて、諸外国のいろいろな研究成果を参考にさせていただいて、性犯罪者処遇プログラムをつくった、こういう経過でございます。

 なお、先ほど刑務官だけが入っているんじゃないかということでございましたけれども、中には、心理技官も入っておりますし、あるいは教育学を専攻した法務教官もワーキンググループには入ってございます。

 以上です。

 

○河村(た)委員 そうすると、局長の言ったことを正直に受け取らせていただいて、今までのプログラムについては、残念ながら受講者も何と五%しかいなかった。それから、もうほとんど効果はなかったということですか。一個ぐらいないんですか、こういうことをちゃんとやってきたと。大臣、もしあったら。

 

○杉浦国務大臣 私が見学したのは、川越少年刑務所で性教育プログラムをやっているということで、ガラス越しに見たんですけれども、向こうからは見えなかったようですが、教官を真ん中に置いて丸くなって、随分真剣に議論していました。どなたがやっているんだと聞いたら、法務教官の方のようで、心理学を専攻した方だと、たしか聞いた記憶があるんです。その中身についてはわからないですけれども、義務づけられたプログラムではないわけですが、ともかくやらなきゃいけないということで、やっておりました。

 それで、少年院の教育は、僕は全国回ってみて改めて感じたんですが、義務教育の現場が見学するぐらい中身がよくなっているんですね。それを進めているのは法務教官たちですよ。バブルがはじけた結果、それから少子高齢化で大学の文学系統の大学院、心理学科等を卒業した人が就職難になって、法務教官の倍率はここ十年ぐらいすごいです。百倍近い競争率で、優秀な人が入っているんですね。

 それで、少年院の教育プログラムも、先生、行かれたことがなければ、ぜひ宇治少年院へまず行ってもらいたい。ここは、義務教育、中学、小学校の各地から見学に来ています。そういう教官たちが、性教育プログラムについても関心を持って検討してやっておるんだということを聞いたわけでございます。

 

○河村(た)委員 何を言っておるんですか。私の方がよっぽど現場で聞いてきて、今言った受刑者の中のいじめが大変なんだ、だから、プログラムといっても、なかなか受刑者が率先してといいますか、みずから入っていくことはできぬのだ、私はそういうことも聞いてきておるんですよ。ガラス張りで、大臣が行ったときはぴかぴかにしておって、そんなときだけの話じゃあかんですよ。

 現場の刑務官が努力しておることは認めるけれども、そこのやはりもう一歩進んだところ、その苦しみをわかってもらわないかぬ。今、わからぬかったじゃないですか、はっきり言って。

 いいです。まあ、せっかくだから聞いておこうか。今、努力しておっても来ないわけですよ、その性犯罪の受刑者は。今のところは、それは中でいじめがあると。

 だから、ちょっと局長からも答弁をもらったので、ぜひ本当の現場の、偉い様じゃないですよ、管区長とか刑務所長とか、そんな偉い人の話ばかり聞いておってもしようがないんだ。大臣が行くとぴかぴかにしてあるから、本当の現場はわかりゃせぬわけだ。そういうところの本当のちゃんとした、看守長以下の現場の刑務官の話をちゃんと聞いて、やりますと、再度、それだけ言ってちょうだい。

 

○杉浦国務大臣 もちろん、先生の御指摘を受けてやってまいりますが、私が川越少年刑務所へ行ったのは三年ぐらい前、少年法の大改正のときのPTで、大臣として行ったわけじゃない。

 要するに、あのころはまだ、性犯罪に対する教育プログラムを全国展開しようとか、今度、監獄法改正で義務づけましたが、そうでない時代に若い人たちが熱心に取り組んでおったということだけを、見てまいりましたので、申し上げているわけです。

 

○河村(た)委員 だから、一つぐらい、こういうことによってこうなったと、成功例でいいですよ、成功例。一つ、ぜひ挙げてくださいよ、せっかくですから。

 

○小貫政府参考人 個別の案件で、成功例、どういうのがあったかというのを、実のところ、私は把握しておりません。調査した上でまた答弁させていただきたいと思います。

 

○河村(た)委員 非常に局長は正直な方だけれども、こうなると、この立法事実があるかないかの問題になりますよ、はっきり言って。委員長提案になっていますけれども、委員長、石原さんがこうやって法律を出すんですけれども、やはり成功例、きちっと、こういうことがあって、だからこうします、失敗例、こういうことになってこうしましたと、二つや三つしゃべれぬと、法律をつくるのに、単なるカナダかなんかでやっておったものを見てそのままひっつけただけか、そういうふうになりますよ、これは。何ぞないかね、本当に、後ろの人から聞いて。

 ちょっと委員長、本当に言わないかぬですよ。これがわからな、この法律自体が根拠のない法律になっちゃうよ。

 

○杉浦国務大臣 河村先生、これから性教育プログラムは本格的にやるわけですね。

 さっき言った、私が見てきた川越少年刑務所のは、職員の熱意で処遇プログラムを開発して一生懸命取り組まれておった、数少ない事例の一つじゃないかと思います。これは省内ですけれども、家庭裁判所の中でも、あそこはよくやっていますよという評判を聞いて、川越少年刑務所については見せてもらったんですけれども。

 

○河村(た)委員 これは委員長が言わないかぬよ、委員長の提案ですから。私、たまたま役所に聞いていますけれども、委員長が出した法律ですから、やはり、かくかくこういうプログラムによってこうなっていくだろう、かくかくこういうことをやっておっても効果がないとか。法律をつくるときは当たり前じゃないですか、そんなもの。

 では、ちょっと今の法律に絡めて言ったら、結局、執行猶予を受けた人、性犯罪、これについて教育、指導をしていくわけですけれども、これは現状どうなっておって、この法律によってどう変わっていくんですか。

 

○麻生政府参考人 まず、現状を御説明いたします。

 現在は、保護観察におきましては、保護観察対象者をその犯罪、非行の態様等によって幾つかの類型に分けて把握し、各類型ごとに共通する問題性に焦点を当てた類型別処遇というものを行っております。この類型の一つといたしまして、性犯罪等対象者、こういう類型を設けております。性犯罪者の問題性と処遇上の留意点に応じて保護観察を実施しておるわけでございます。

 例えば、被害者の気持ちを考えさせたり、自己のコントロールに……(河村(た)委員「いや、保護観察じゃなくて、単なる執行猶予者の場合」と呼ぶ)単なる執行猶予者の場合は保護観察の対象ではありませんので、私どもでは処遇はできないわけでございます。(河村(た)委員「何にもないわけだ」と呼ぶ)はい。これから変わる部分……(河村(た)委員「だから、今度法律をつくって、遵守事項なんかをつくっていくわけでしょう、そこを答弁してください」と呼ぶ)はい。

 現在でも類型別処遇というものはやっておるわけでございます、保護観察対象者、保護観察になっておる方については。

 現在の数字をちょっと御説明させていただきたいのでございますけれども、平成十七年で見ますと、千九名の方、これは保護観察つき執行猶予者のうちの千九名の人について性犯罪等対象者という選定をしております。これは、強姦とか強制わいせつだけではなくて、例えばのぞき見の目的の住居侵入でありますとか、あるいは下着泥棒とかいう犯罪の動機が性的なものである人たち、こういうものにつきましても性犯罪等対象者ということで、そういう特性に応じたことをやっておるわけでございます。

 今後どう変わるかということなんですが、現在の体制では、それを遵守事項という形で義務づけをすることはできません。今御提案になっております法律ができますと、これを遵守事項ということで義務づけをすることができるわけでございます。

 先ほど矯正局長の方から御説明がありました、性犯罪者処遇プログラムというものを矯正局と保護局で専門家の御協力をいただきまして作成いたしました。矯正局は、行刑施設の中でこの処遇プログラムを行いますし、保護観察所におきましては、仮出獄になった人それから保護観察つき執行猶予になった人に対しまして、この性犯罪者処遇プログラムというものを行うわけでございます。

 現在まで保護観察所ではそれを行っておりませんので、その実績を示すように言われましても数字はございません。ただ、私ども、このプログラムを策定するに当たりましては、専門の先生方に外国に出張していただいたりしまして、いろいろ調査をしていただきました。そうしますと、外国の調査では、この処遇プログラムを受けた方については再犯の割合が相当低くなっている、効果がある、こういう御報告を受けましたので、それをやはりよりどころとして、今後我が国の対象者に対してこれを実施してまいりたいということでございます。

 刑務所の中で受けてきた人につきましては、仮出獄になった場合は、引き続き保護観察所において、行刑施設の中でのプログラムを前提として、社会内でもさらに行う。それから、執行猶予者につきましては、行刑施設の中でそういうプログラムを受けておりませんので、導入プログラムから始まって、その問題性に応じてプログラムを行う。それからさらに、こういう犯罪については家族の方の協力もやはり必要でありますので、家族に対するプログラムというものも考えている。それを総合的に行って、少しでも性犯罪者の再犯を少なくしてまいりたいと考えております。

 

○河村(た)委員 今回、石原さんの御提案の法律によって、これを遵守事項の中に入れるようにできるわけですね。ちょっとそこのところ、その意義を言っておいてください。そうですと言ってもらえばいいんです。

 

○麻生政府参考人 今委員から御指摘がありましたように、現在、保護観察つき執行猶予者につきましては、善行保持等の一般的な遵守事項しかございませんので、このようなプログラムを受講するようにという義務づけができません。今回の改正ができました場合には、特別遵守事項で、プログラムを受講するようにという遵守事項を定めることができるようになるわけでございます。

 

○河村(た)委員 委員長、そういうことですよ。

 それはええんだけれども、では、そのときの成功例とか失敗例とか、どういうプログラムを、今言っていますが、結局、カナダのものを見て、まあ、何でもええで、これでええだろう、ただそれだけですか、立法事実というのか司法の考え方というのは。やはり最低でも、かくかくこういうふうにありまして、こういう事件はこういうことでこうなりました、こういう事案はこうなってうまくいきます、再犯になっちゃったとか、これはやはり二つ三つ、四つぐらいはちゃんと説明しないと。当たり前だ。

 特に、日本国の小さい子供さんの御父兄からすれば、これはどえらい関心事項ですよ。どうも法律ができるらしいけれども、何か成功例も失敗例もわけがわからぬ、全然、どうも説明できぬかったらしいで、こうなりますよ、言っておきますけれども。(発言する者あり)何を言っている、まだやってないじゃないですよ。今まで長いことやっておって……(発言する者あり)何を言っているんですか、あなた。今までやってきて、なおこれから新たなプログラムをつくるにしろ、今までやってきた中の成功例、失敗例があるでしょう。(発言する者あり)やっておる。何を言っておるんですか。違うよ、それは。やっておるんですよ。五%しか受けていないんですよ、受講。やり方を変えると。

 

○麻生政府参考人 行刑施設の中のことにつきましては、私、専門外でなんですが、なかなかその因果関係というのは説明しがたい部分があるのではないかなと思います。

 私どもが把握しております限りでは、性犯罪者の中でも、二度とこういう犯罪はしたくないということで、自分の費用で、例えば臨床心理士の方のところに通って治療を受けていらっしゃる方がいるわけですね。そういう方は、やはりその治療を受けた効果が上がっているという成果があるわけですよ。

 それから、性犯罪者もやはり、薬物の人たちあるいはアルコール中毒の人たちと同じなんですけれども、自助グループというのがあります。自分たちの名前は明かさないで、自分たちはこういう犯罪の前歴があるんだけれども何とかして立ち直りたい、そういう人たちの自助グループというものがございます。

 そういう方たちで、自分たちの問題性をさらけ出して、自分は、例えば痴漢をすれば女性は嫌がっていないと思っていたけれども、それは間違っていたな、やはり女性は嫌がっているんだなということがわかって、そういうことを二度としなくなっている。そういう自助グループというのはそれなりに成果を上げてきているわけです。

 ですから、個別の人について、これを受けたからどうかというのは、例えば臨床心理士のところに自費で通ったから効果があったというような、こういう例はあるかもしれませんけれども、行刑施設の中で全体についてどうかと言われると、なかなか難しい面もあるのかなと私は拝察しております。

 

○河村(た)委員 仮に、医療の話をしておったら、絶対言いますよ。それはプライバシーがあるから、名前は当然言いませんけれども。新たな医療技術で、ではこの治療法に薬価はどれだけつけるかとか、医師の診療報酬をどうするかというときに、こういう治療によってこういう解決がされた、それは絶対出ますよ。

 河野さんに言っておくけれども、やり方が変わってくるんだけれども、今までもやっておったんですよ。だから、その中でいいものはどんどん伸ばしていくし、これをやったけれどもこれは余り効果がない、そういうふうに説明してもらわないかぬじゃないですか、幾ら何でも。

 

○麻生政府参考人 午前中の質疑の中でも御答弁があったと思いますけれども、このプログラムを導入した場合にどういう効果があるかということは、当然検証作業を進めていくことを考えております。その中で、どういうものが効果があるのか、これは効果がないのかということで、さらにいいプログラムにしていきたいと考えております。

 

○河村(た)委員 今の話を聞いておると、今までやってきたものと本当に断絶するみたいですね、ぱっと聞くと。(杉浦国務大臣「そんなことありません」と呼ぶ)いや、そんな、そう法務省をかばったってしようがないですよ。実際のところは、今までやってきた中でどういうふうであったかということを、ちゃんとプライバシーに配慮して、やはり国民の皆さんにわかりやすく。どういうことかというと、国民の皆さんからすれば、いろいろなことをやっておられるようだけれども、これは本当に大丈夫かというふうに思っておるわけですよ。

 海外でいうと、私はプライバシー論者ですから、住基ネット大反対ということもありまして、そんな、変なラベルをつけてGPSで監視するようなことは非常に疑問があると思いますよ。しかし、そういうことをやっておるところもある。結局は、病院でいわゆる男性ホルモンのコントロールをするしかしようがないじゃないかとか、そういうような意見がようけあるわけでしょう。その中で、今やろうとしているプログラムで果たして本当に安全なんだろうかとみんな思っておるわけです。そうでしょう。そう思いますよ。

 日本国の皆様が、今のままでええ、ええ、カウンセリングでええんだ、それは思っていないわけだから。だから、それが説明できぬというのは、これはお恥ずかしい限りだと思いますね、悪いけれども。大臣、これはちょっと責任を感じてちょうだいよ。

 

○杉浦国務大臣 お言葉を返すようですが、先生も誤解されている面があると思うんですね。断絶があるということはありません。本格的に研究会を開催して、今まで川越少年刑務所だとかあちこちで試行錯誤でやってきたことを練り上げて、カナダそのほか外国でやっている、さっき何とか法という、そういうものを検討して、初めて今度プログラムをつくって、義務づけた監獄法のもとでやるわけですよ。その結果がありっこない、これからやるわけですから。

 今できているプログラムは、今まで関係者が試行錯誤、試みてきた、勉強してきたことを、ある意味では集大成したものであって、もちろんそれはベストでないかもしれませんが、ともかくやってみて、これからその結果ももちろん検証しながら、三ッ林チームがありますので、そこで検証しながら、さらにいいものにしていくというプロセスを踏んでいくのだと思います。

 

○河村(た)委員 本当は、議院内閣制というのは、議会から来た人は役所に厳しく言ってもらわないかぬですよ。役所の応援団ではいかぬわけだ。何のために議員が大臣をやっておるかといったら、役所を守っておっちゃいかぬですよ。そのためにあったんであって、悪いけれども大臣……(杉浦国務大臣「あなたは名古屋刑務所を守っている」と呼ぶ)あれは個別事案で、ちゃんと冤罪については守りますよ。それはそうですよ。個別事案で守るけれども、わしは役人はそう嫌いじゃないけれども、間違ったことは自分で守りますよ。

 だけれども、どう考えても、やはり、断絶がないのは当たり前のことで、要するに、今までやってきた試行錯誤の中から今度また一段飛躍するということでしょう。そういうことですよね。その今までやってきた中からどういうような、要するに立法事実は必要なわけですよ。だって、国民の皆さんに説明義務がありますよ、言っておきますけれども。こういう方法によってはこうだった、こういう方法によってはこうだった、やはりこうなのではないかとか、今度のプログラムにこう生かされていますよということ、それが具体例で言えないというのは、大臣、ちょっと怒ってくださいよ、それだけは。

 では、今度はそれを出してくれ、これをちゃんと指示してくださいよ、指揮してくださいよ。

 

○杉浦国務大臣 国民に対する説明責任はあると思います。その研究プログラムができてきた過程、いろいろな関係者が努力してやってまいったことですから……(河村(た)委員「具体例」と呼ぶ)具体例があるかどうかも含めて、やはりPRといいますか、御理解をいただく努力はしなきゃいかぬと思います。それは役所にそのように督励してまいります、御理解をいただくように。

 

○河村(た)委員 今のもちょっと不十分なんで、具体例があるかどうか。ないなんということは考えられませんよ。(杉浦国務大臣「今ここにないから」と呼ぶ)いや、だから、今はいいと言っていますよ、僕も。いつまでも言っておってもしようがないから、もう一回ちょっと調べ直してもらって、国民の皆さんに、こういうやり方だったらこうだ、こういうやり方だったらこうだ、こういうことがありまして、ここはうまくいってここは残念でしたと。

 例えば、医療刑務所がやはり要りますとか、いろいろ、そういうような一つの、なるほどな、だから今度の法案が、今度はこういうふうで、処遇プログラムをやれるようになるんですけれども、必要なのかなということですから。

 これは大臣、遠慮せぬでもええですから、別に具体例を出してもらったって、何の問題もないわけですよ。当然、プライバシーを配慮するのは当たり前ですから。それはあるに決まっているわけですよ。なかったら、何のためにやっておったかということになりますよ。

 ちゃんと受刑者ごとにずっと身分帳があるでしょう。一件記録でそこの中に全部入っていますから。それをちゃんと指示してくださいよ。

 

○杉浦国務大臣 それはちゃんと国民の皆さんに御説明いたします。ただし、プライバシーに配慮いたしまして、よくそのあたりも含めて、国民に対する御理解をいただく努力を一層強化するように改めて指示いたします。

 

○河村(た)委員 まあ、いいですけれども、僕も何年かやらせていただいたので、やはりちゃんと言質はとっていかなあかんものですから。

 プライバシーに配慮していただいて、それは結構です。具体例ででき得る限り国民の皆さんに今回の立法事実を明らかにします、そう言ってください。(杉浦国務大臣「もう申し上げました」と呼ぶ)いや、具体例でと言っていない、言っていません。言えないんですか。

 

○杉浦国務大臣 何回も申し上げていますが、国民の皆様方に新しいプログラム、取り組みについて御理解いただくことが必要ですから、今まで皆さんの努力してきた成果、こういう例があるということも含めまして、十分御理解いただく努力をこのプログラムを進めることと同時にやっていかなきゃいけない。改めて指示するつもりでおります。

 

○河村(た)委員 ありがとうございます。それでは、今度の機会にぜひ出してちょうだいね。

 それから、あと五分でございますので、被害者が十三歳未満の暴力的性犯罪等に係る仮出獄者等に関する情報を警察に情報提供を行うことになったわけですけれども、この対象となる人というのはどのくらいおみえになるんですか。

 

○麻生政府参考人 昨年六月から十一月末までの六カ月間で、法務省から警察庁に対しまして九十六名分の出所情報の提供がなされておりまして、そのうちの仮釈放者は四十一名、こういうふうになっています。

 この仮釈放者につきましては、刑期が満了するまでの間、保護観察に付されますので、仮釈放後に転居しましたり、あるいは保護観察期間が終了した場合には、保護観察所から警察にその旨の通報をいたしております。

 

○河村(た)委員 では、最後に大臣にお伺いするのは、いわゆる執行猶予中に保護観察を受ける人たちが執行猶予の取り消しを受けるのは、三十年間にわたって大体三割前後、非常に高水準だと。一方、仮出獄だと大体一〇%以下、こういうふうになっておるわけです、今のところ。

 執行猶予者より仮出獄の方が罪が重いと普通思われますので、これは逆転現象ですね、言ってみれば。何でこういうことが起こっておると思いますか。

 

○杉浦国務大臣 その問題は、一つは、仮出獄、仮釈放、刑務所、少年院、仮出院、仮出獄で保護観察を受ける人の期間が比較的短い。大体、刑期をある程度勤めて、それから所要の手続を踏んで仮釈放になるわけですから、大体一年前後と言われておりますが、片や保護観察つき執行猶予者は、執行猶予三年以上五年、執行猶予三年で保護観察という人は少のうございまして、大体執行猶予四年あるいは五年で保護観察という人が圧倒的に多いと思うんですね。

 ですから、片や一年、片や四年、五年という人ですから、その保護観察期間中、執行猶予期間中にまた何か再犯を犯して取り消しになる、そういうケースが多いというのは理解できると思うんです。

 それで、一方において、今度法改正を議員立法でやっていただきます保護観察つき執行猶予中の方については、特別遵守事項を決められませんでしたから、教育その他処遇プログラムを義務づける、そういう指導、保護観察つき執行猶予中の指導も十分できなかったという事情もあったと思います。

 

○河村(た)委員 どうもその辺も、僕が聞いてきたのとちょっと違うんですよね。やはり仮釈放の場合は刑務所へ入っていますので、もうつらいところに入りたくないというのが気持ちに当然あるわけですよ。執行猶予の場合はまだ入っていませんので、その心理の差が大きい。

 だから、反対に言うと、刑務官はそれだけ、刑務所はホテルじゃありませんから、ある意味では適正なんですけれども、厳しいといいますか、そういう処遇をしながら努力しておるんだというところがわかっておらぬのじゃないの、大臣。どう思いますか。

 

○杉浦国務大臣 そういう面もあると思いますが、枝野先生は弁護士だけれども、保護観察つき執行猶予と実刑の差はほとんどない、先生、そうですね。我々弁護士が一生懸命情状を立証して、やっと保護観察がいただけた、保護観察つき執行猶予。これは、犯罪事実そのものはそんなに違いがないのに、片っ方は執行猶予がつく、片っ方は実刑になるということなんです。

 確かに、執行猶予をもらったために安心して、ああ、よかった、よかった、刑務所へ行かなくて済んだといって、気も緩む面もあるかもしれないし、もともとそういう悪性の犯罪を犯した人ですから、再犯も犯しやすい。

 私など、保護観察つき執行猶予をとってあげた人でも、何人もその間に犯罪を犯している。そういう期間中に犯罪を犯しますと、もう執行猶予はないんですよ。二度と、再度の執行猶予はなくて、それを取り消されちゃうということをよく説明したのに、やる人が結構いるのは事実でございます。

 先生のおっしゃるような点もあると思います。それは率直に認めます、そういう点もあることを。

 

○河村(た)委員 以上でございます。

 それでは、また後の報告を待っておりますので、お願いします。