163-衆-法務委員会-3号 平成17年10月07日
○塩崎委員長 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 河村たかしでございます。
きょうは、もう三年になりますか二年になりますか、名古屋の刑務所で刑務官が暴行したとされて、これは真実は全く違っているんですけれども、国会で調べましたら、自民党も含めまして、公明党さんには悪いけれども、民主もそうですけれども、共産さんもそうですね、社民党さんもそうです、全党の全議員の方が刑務官が暴行したということを断定して、法務大臣におかれましても、刑務官の資質に問題があるという全く人格をずたずたに引き裂いたような答弁というか、大臣も見えますけれども、個人というわけじゃなくて、全体でしたので、こういうことがありました。
調べてみますと、それは国会から始まったんですね。国会の質問から始まっていった。行政がそれにこたえる格好で、刑務官が逮捕なり起訴されていったということなんです。
私は、何でこんなことが起こってしまったのかと。それと、国会と行政はいいのだろうかと。真実究明は、無論、司法の独立というのは極めて重要でございまして、そんなことは言うまでもないんですけれども、裁判における真相究明というのは、疑わしきは被告人の利益にということでいいわけで、行政とか国会の調査というのは、保護房内で受刑者がもう一回傷つかないように、仮に事故だとしたら事故が起きないように、徹底的な真相究明が要るんですよ、国会と行政というのは。
だから、私は、何で起きたのかということを、ちょっとこれは後で委員長にもぜひお願いしたいけれども、初めのプロセスをやはり検証しておかないと。こんな無責任なことというか、これは八名の刑務官ですけれども、家族もおりますけれども、たまったもんじゃないですよ。こんなことをやっていいんだろうか、国会議員は、委員会は。こういうことから、若干、なぜ起こったのかということを検証していきたいということでございます。
私も、革手錠の話と放水の話をしたんですが、今回は放水の話だけに絞りたいと思いますけれども、医者に聞きましても、あり得ないと。傷の切片のことですが、水でこんなことはあり得ないと。
ちなみに、冒頭陳述、これは国会に報告されましたから裁判とは別に分けた方がいいんですけれども、行政からも国会に報告を受けていますからね。そこでは、〇・六キロの水圧ということになっています。〇・六キロというと、東京都の平均的な水道、そこで水をひねれば一・二ですからね。あそこの半分ぐらいの水をかけて、肛門の括約筋が切れているんですけれども、これはあり得ないと。
それから、ここへ来て参考人でお話をされた二村さんという、今、日本外科学会の会長をされている非常に立派な医者ですけれども、あの人も、こう水をかけまして、受刑者さんは伏せていますので、直腸は縦の方向に、逆にこういうふうにあって、こちら側からかけたものがこんなふうに上がっていくということになりまして、これはあり得ないという話で、全く違うという話をしておりまして、何でこんなことが起こったかということでございます。
まず、委員長に冒頭聞いておこうか。
今まで何遍も話していますから、塩崎さんも非常に、そこら辺は余り政局どうのこうのじゃなくて、やはり国会としての役割でしょうか、間違ったときにはただす、間違ったかどうかをきちっと検証するということは国会独自として必要だと思うんだけれども、委員会の権威といいますか国会議員の義務だと思うのですが、いかがでございますか。
○塩崎委員長 一般論としては正しいと思います。
○河村(た)委員 一般論という変な条件をつけぬでください。なしで言ってください。
○塩崎委員長 いや、正しいと思います。
○河村(た)委員 では、御一緒に、当然、制約は三権分立上のいろいろな問題がありますけれども、そういう立場でやっていくということでひとつお願いしたいと思いますけれども、どうですか。
○塩崎委員長 理事会で諮って、皆さんの御同意を得られる範囲でやっていきたいと思います。
○河村(た)委員 私、しょっちゅう思っておるのですが、理事会で理事会でと言いますけれども、理事会というのは本来は本当の機関ではありませんし、委員長は別に自分でリーダーシップをとってやってもらわないかぬですよ、これは本当に。それほど委員長の仕事というのは大事な仕事だということです。
それで、まず、それでは、国会に報告されたところもあるんだけれども、中間報告等でありまして、私が今まで聞きますと、要するに検察庁の捜査状況のとおりだったということでございますので、初めに、検察も当然、行政の一環としてこの委員会での対象になっておりますし、個々の検察官が独立して職務を行うというのと、検察官一体の原則というのがありますけれども、あれはどういうふうなものですか、特にこの名古屋刑務所の話についてはどうだったんでしょうか。
○大林政府参考人 検察官の独立性と、検察権が、司法権の独立に準じて、他の力に左右されることなく公正に行使されなければならないことから認められた原則でございまして、検察官は、個々の検察権は個々の検察官に属し、個々の検察官がみずから検察事務に関する権限を行使することとされております。
その一方で、検察権の行使が全国的に均斉に適正になされることは国民の基本的権利義務にかかわる事柄で極めて重要でございまして、検察同一体の原則として、個々の検察官はその上司の指揮監督に服し、また、検事総長、検事長または検事正がその指揮監督する検察官の事務をみずから取り扱い、またはその指揮監督するほかの検察官に取り扱わせることができることとされております。
このように、検察官は、検察権行使について、上司の指揮監督を受ける地位に置かれていますが、これは個々の検察官が検察権行使の意思決定機関であるという原則を否定するものではなく、個々の検察権行使の権限と責任は個々の検察官にあります。
名古屋事件は具体的な事件の問題でございますので、これに当てはめてどうかということはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○河村(た)委員 最後に述べられたことですけれども、それはいかぬですよ。やはりここまでちゃんと報告してきて、真実がどうであろうと、手続的に、検察庁内部で国会への報告がどういうステップでなされたか。個別の名前を挙げるかどうかは別としまして、どういう機関で相談してどういうステップでこういうことが国会に中間報告でなされたかということ、これは聞かないかぬですよ。大臣、そう思うでしょう。
あなた、何かこの間そこで書き物を読まれて、司法は非常に重要だということでいろいろ言っておられるじゃないですか。刑事に関する体制の充実はもちろん、時代の要請に即応した法整備を図ることも重要な課題であるということで、諸課題に取り組む決意でありますので、よろしくお願いしますと私らに頼んでおりますけれども。
だから、どういうふうに逮捕なりそういうのがなされていって、名前は別ですよ、一定のシステムの問題をお話しいただくのは当然でしょう。大臣、どうですか。
○南野国務大臣 今、検察当局において、法と証拠に基づきながら調査されておる件でございますので、個別の案件として私から申し上げることはできないということでございます。
○河村(た)委員 そんなことばかり言っておると聖域になってしまう。
委員長、いいですか、報告を受けた書類がどういうステップで決裁されていって、どういうふうに相談されていったかということがわからぬということですよ。
こういうのはだれに聞いたらいいんだろう。これは本当は委員長だけれども、そうするとまた理事会でと言うんでしょう。
もし委員会で報告を受ける方が、それはわからぬと言うんだったら、何ですか、これは。当然そうだと言ってくださいよ、これだけは。こんなのは理事会要りませんよ、当然ですよ、委員長。
○大林政府参考人 今、個々の検察官とそれから上司の検察官の権限といいますか、そういうことについて申し上げました。
私も、一般論として御説明できるところは御説明したいと思います。ただ、今の名古屋事件については現在係属中であります。ですから、主任がだれだとか、どの決裁を受けてどのような各人の判断がなされたかとか、これは検察内部の問題でもございますし、あるいは公判中の事件でもございますし、この点の具体的なお答えについては、これは差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、一般論としてどういうシステムかということについては、お尋ねがあればお答えしたいと存じます。
○河村(た)委員 裁判をやっておるといって、こっちもやっているんですからね。言っておきますけれども、こっちも。
真相究明は、何遍も言いますけれども、これは裁判所とはまた別個に、大臣、行政にありますね、再発防止のために。では、それをもう一回確認しておこう。
○南野国務大臣 いろいろな予防的な問題については、それはそれで個々にあるかもわかりませんけれども、今先生がお尋ねの案件につきましては、今既に調査中の案件でございますので、私の方から、先生がおっしゃることが正しい、どなたがおっしゃることが間違っているとか、そういうことは私の立場で言うことではないと思いますので、お答えできません。
○河村(た)委員 調査義務があるかどうか。
○南野国務大臣 法務省では、行刑行政を所管する立場から、これまでにも可能な限りの行政上の調査を行い、国会に対してその結果を御報告してきたところでございます。
一連の名古屋刑務所の事案につきましては、現在、先ほども申しましたように、名古屋地方裁判所で公判が係属しているものと承知いたしておりますので、今後とも公判の推移を見守りながら必要な調査等を実施してまいりたいと考えております。
○河村(た)委員 こういうのは本当は許しがたいけれども、ここでとまっちゃうので、残念ながら。これは裁判とは違うんですから。あなた、めちゃくちゃですよ、こんなことを言っておったら。
では、一般論として、検察官が逮捕、逮捕は大きいですよね、やはり人生をどうするかということで非常に。それはやはり個々の検事、検察官が判断する。それで、上司には、アドバイスか何か受ける、どうなんですか、一体の原則の場合、実際は。
○大林政府参考人 先ほど申し上げましたように、検察事務、事件処理につきましては、検察官、個々の検察官が責任を負う。しかしながら、御案内のとおり、事件には非常に重大な事件と一般的な事件と、いろいろございます。ですから、一般論として申し上げれば、特に重要事件については、その身柄処理等も含めて上司に相談をするというのが通例ではないか、このように思います。
○河村(た)委員 相談をするということですかね。
そうすると、それなりに決裁をするというのか、上司は、それは検事正さんなのか主任なのか、その辺もちょっとお聞かせ願いたいんだけれども、決裁をするわけだ、逮捕状、請求してもいいよと。こういうことになるんですかね。そのときには、捜査記録とかを上司は全部読むんですか。
○大林政府参考人 一般論として申し上げれば、検察官の上司は、いわゆる決裁を行う前提として、事案の性質に応じて、事件記録に目を通すこともあれば、個々の検察官からの報告に基づいて判断することもある、このように承知しております。
○河村(た)委員 今、重要な事件はと言われましたけれども、その重要な事件というのをちょっと聞いておこうか。
どういうふうにそれを分けるんですか。検事一人で逮捕状を請求する場合もあるんですか。それがある一定のものになると、それは主任なのか検事正なのか検事長なのか、最高検なのか検事総長なのか、そこら辺はどういう仕切りなんですか。
○大林政府参考人 今のお尋ねが、例えば逮捕状を検察庁において請求するという場合をお尋ねであるならば、原則として、やはりそれは主任検事がその名前において請求するのが通例であろうと思います。ただ、それは事件の性質あるいはその検察庁の規模、組織がいろいろ異なりますので一概には言えませんけれども、私の承知している限りでは、主任検事の名前においてやるのが通例ではないか、このように考えております。
○河村(た)委員 それは、主任検事は、今言われたことですから、当然上司に、アドバイスといったらいいんですか、相談というんですか、許可をもらうんですか。どういうことなんですか。
○大林政府参考人 これは、先ほど申し上げましたように、事件の規模等によって異なるわけでありますけれども、いわゆる重要事件については上司に一応相談しまして、協議を経て、それで、例えば令状請求をするとかいう判断に至ることもあろうかと思います。
それから、先ほど、重要事件とは何かというお尋ねがございました。
これは、各庁によってその感覚、感覚といいますか取り扱いが違うかもしれませんが、一般的に私どもが理解しているのは、量刑、求刑といいますか、非常に重くなるような重大凶悪事件と言われるもの、それから、刑はそんなに重くなくても、新聞等に大きく出て国民の皆さんが関心を持つような事件、こういうものはやはり重要事件とされているのではないか、こういうふうに理解しております。
○河村(た)委員 そうなると、名古屋の話も、これは当然重要事件でしたね。
○大林政府参考人 私はそのように理解しております。
○河村(た)委員 そうすると、やはり冒頭陳述とかああいうものも、現場の方が、主任がやられて、それでどうなるんですかね。ああいうようなものについては、検事正なんですか、やはり最高検なんですか、これはどうなるんですか。
○大林政府参考人 今お尋ねのものは、具体的事件における検察部内の判断の過程にかかわる事項なので、法務当局としてはお答えすべき性質のものではないというふうに思いますが、今まで私が御説明しているとおり、一般論で申し上げれば、上司がそれなりに見ているものというふうに思っております。
○河村(た)委員 上司の中にはどういうものがあるんですか。やはり最高検というのもあるわけですね。
○大林政府参考人 今お尋ねのものは、私の受けとめ方としては、一つの検察庁内部の手続としてお尋ねだというふうに理解しております。ですから、通常言う主任検事がおり、大きな検察庁であれば副部長とか部長とか、あるいは次席とか検事正とかいうふうにあります。
名古屋事件の場合にどのような決裁の仕方がなされたのかということは申し上げられませんけれども、一般論で申し上げれば、重要事件について、それは主任検事限りではなくて、上にも御相談し、いろいろ議論はされているんだろうというふうに一般論では思います。
○河村(た)委員 その上というのは、最高検まで行く場合があるかどうか、ちょっと一つ。
○大林政府参考人 御案内のとおり、検察庁は、地方検察庁の上に高等検察庁があります。それから、その上に最高検察庁があります。それは、検察権行使のトップは最高検察庁でございますので、事案によっては高等検察庁に御相談することもあるし、最高検察庁に御相談してその指揮を仰ぐ、そういうこともあろうかと思います。
○河村(た)委員 何か御前会議というのがあるという話を聞きますね。最後に検事総長という大変偉い方がそこにお見えになって、その下が次長さんですか、次長検事か、現場から上がってきて、それを決裁する、そういう非常に重要な会議があると聞いておりますけれども、それはどうでしょうか。
○大林政府参考人 一般論として申し上げれば、地方検察庁や高等検察庁は、事件の捜査方針等について最高検察庁などの上級庁に協議を行うことがございます。今おっしゃる御前会議と称するかどうかはともかくといたしまして、そのような協議の場に検事総長が出席することもあり得る、このように承知しております。
○河村(た)委員 そういう報告というのは、文書で上がってくるのか口頭なのか、どういうことでしょうか。上への報告。
○大林政府参考人 これも一般論でございますが、割合と緊急を要する場合については口頭ということもあります。それから、当然文書を用いた方がいいケース、これは少なくないとは思いますけれども、これについては文書をもって協議に当たるということもございます。
○河村(た)委員 これはやはり本当に委員長のお力をいただかぬといかぬのだけれども、最低でも名古屋刑務所のああいうものは、ここへ出していただいた報告書がありますよね、中間報告。あれはどういうふうに、あの資料はだれがどうつくったんですか。あの入手経路は何なんですか。入手経路というか、あれに書いてあったことは、どなたから聞かれてどうされたんですか。
○大林政府参考人 前にも御答弁させていただいたと思いますけれども、これは名古屋地方検察庁が主として捜査を行ったものでございますので、検察庁から入手した情報もあります。それから、もともとは矯正当局の管轄のものでございますので、矯正当局からその情報をいただいたものもございます。それらをまとめて報告書として出させていただきました。
○河村(た)委員 そうですか。やはり矯正当局もあったんですか、矯正当局からのいろいろな情報も。
○小貫政府参考人 調査委員会の御指示に基づいて種々の調査をなした、こう承知しております。
○河村(た)委員 そうしたら、少なくとも、これは矯正局長に聞きますけれども、今回は放水でいえば、放水のいろいろな話が出てきますので、その間、それはどう調査をされたのか、そこのところをちょっと教えてもらえぬですか。
○小貫政府参考人 名古屋刑務所の職員等に対する聞き取り調査等々を行っております。
○河村(た)委員 実際はそれもほとんどなしに等しいんですよね、その調査も。
はっきり言うと、検事の言ったとおり書いたんじゃないの、局長。
○大林政府参考人 これも前に御答弁させていただいたと思いますが、当時の経緯は、今被告人とされました人たちについては、いわゆる身柄、逮捕することになり、ある面では隔離された形になっています。
当初においては、事案の真相を究明するということにおいて、検察において中心になって動いておりましたので、矯正においては、その捜査の妨げにならない限りにおいて職員等の調査をした、このように承知しております。
○河村(た)委員 だから、その検察庁の中で、最低でも、どういうプロセスを経て、最高検が指示したかどうかぐらいは聞かないと。委員長、本当にそのくらいは聞かないと。
大臣、あなた、何か刑事司法を充実させると言っているけれども、このぐらいのシステムがわからぬで、これは国会軽視じゃないけれども、無視に近いですよ。そんなことも教えてもらえぬで、書類を出されて、これを信じなさいと言われたんですよ。どうですか。
では、今の名古屋刑務所の話でいったら、今そこで矯正局がそう言われていまして、主に検察がやっておったからというわけでしょう。だから、検察内部で最高検は指揮したんですか。
○大林政府参考人 また一般論で恐縮でございますけれども、例えば、今名古屋刑務所の事件で何が肝心かということは、その事実があったのか否か、それから、被告人たちに対して量刑がどの程度が適正か、まさにそこが司法で争われていることでございまして、この事件において決裁官がだれであったかとか、どのような決裁がなされたのか、それが集約された形、それを集約のものとして今起訴され、公判活動が行われているわけでございまして、私どもとして、そのような具体的な捜査の内部、判断過程についてちょっと申し上げることはできませんので、それはやはり裁判を、それを凝縮した形として裁判が、どのような形で判決が出るかということを見ていただきたいなというふうに考えております。
○河村(た)委員 裁判を見ていただきたいというのは裁判上の話で、悪いけれども、それはちょっといかぬですよ。
私は真実を、どういうことがあったとは聞いていないんで、少なくとも最高検が名古屋地検を指揮したかどうか、どういうやりとりが行われたか、内容は別としてですよ。そのプロセスぐらいは聞かなかったら、これはちょっと、こちらに何にも出しておらぬのならまた別ですよ。それから、国会議員の方が、これは全員ですからね、それを信じて質問したのは。ほとんど全マスコミが刑務官が暴行を働いたということを日本じゅうに宣伝したわけでしょう。
だから、その一番最初の、どういうプロセスを経て検察庁の中でそういう報告書ができ上がったか、このくらいのことは言ってもらわないといかぬですよ。これを言わなければ、検察庁は本当の聖域になりますよ。
○大林政府参考人 委員がおっしゃるように、それは、司法としての役目と、それから国会としての役割というものは、一応三権分立とは言われていますけれども、私どもも、国会、委員会が重要な機能を果たしておられることは十分承知しておりまして、捜査に関することでも、中間報告、その後の報告において、できる限りこの委員会に報告したつもりでございます。
ですから、その役割を否定するものではございませんけれども、それ以上の内容、今おっしゃられるような内部の決裁あるいは報告関係については、これは検察機能という問題もありますし、いろいろな観点から、ちょっと法務当局としては申し上げられないということを御理解願いたいと思います。
○河村(た)委員 ちょっと待ってちょうだい。それでは、これを言ったとして、どういう不都合があるんですか。どういう不都合がありますか、最高検において決裁したとか、こういう指示を出したとか。
まず、それでは一つ言いますけれども、一番最初は国会の質問でしたよね、本当の端緒は。これは国会。そこからですから、国会から何らかのアクションが行ったはずなんですよ、一番最初に国会の法務省担当から。だから、そこら辺のところはどういう不都合があるんですか。
反対に、自信を持って言えばいいじゃないですか、検察庁一体の原則として堂々と起訴しましたと。最高検も、御前会議かどうか私は知りませんよ、それが本当にあったかどうか。そういうところで合意して、堂々と起訴いたしましたと言えばいいじゃないですか。なぜそれを言えないんですか。言えないのはどういう不都合があるのか教えてください。
○大林政府参考人 まず、捜査の端緒につきましては、いわゆる九月事件について、名古屋地方検察庁において、名古屋刑務所から通報を受け、捜査を開始したものと承知しております。
それから、今の内部の問題でございますが、それは一般論で申し上げれば、先ほど申し上げたとおり、検察官の独立の原則で、基本的には主任検事において起訴等をする権限を持っております。ただ、それが恣意的なものにわたらないということで上司に相談し、最終的には、検事総長をトップとする最高検察庁の指揮監督権もございます。
ただ、いろいろな事件を処理する場合においては、それぞれの検察官がそれぞれの経験に基づいて、いろいろな意見が当然交わされることになります。それは、だれがどう言ったとか、どういう指揮をしたということではなくて、私どもの検察活動として凝縮されるものは、起訴状であり、不起訴裁定書であり、それから公判活動でありという問題で、そこですべて最終的な結論といいますか、そういう外に向かっての検察権の行使の中身が出ているわけでございまして、そこの内容を余り申し上げるわけにはいかないということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○河村(た)委員 私は内容を聞いているわけじゃないでしょう。最高検と相談されて、最高検の了承の上に逮捕状を請求されたのか、それを答えてくださいよ。こんなことは言わないかぬですよ、本当に。
○大林政府参考人 それも捜査の内容にかかわることでございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○河村(た)委員 どこがかかわるんですか。どういう不都合があるんですか。反対に堂々とちゃんとしておいた方がいいじゃないですか。検察一体の原則で、ちゃんとこういう審議を経て、最高責任者の了解も得てやりましたと。一体何がいかぬのですか。
○大林政府参考人 何度も恐縮でございます。
検察庁における事件処理というのは刑事事件の最終的な処理をするということで動いている官庁でございまして、先ほどから申し上げているとおり、主任検察官において処理する検察官独立の原則というものを中心としております。
その過程におきまして、いろいろ協議をし、参考意見が出、最終的な結論が出るものだと思いますけれども、そのプロセスというのは、一般論で申し上げればいろいろな事件がありまして、それにおいて、それぞれ検察の内部においていろいろな判断がなされ、適切な形で今のような処理がなされているものでありまして、やはり個々の事件についてどのような決裁が行われたかということを法務当局として申し上げることはちょっとできないと思います。
○河村(た)委員 こんなことでは、これは本当の聖域ですよ。決めてきたプロセスぐらい教えてもらわないと。
どうもこれは、あれじゃないですか、結局、実際は一体の原則になっていて、上が指揮してやるんだけれども、失敗することもある、そのときは、検察官独立ですか、独任制ですか、独任制の官庁ですか、だから主任とか現場の検事に責任を負わせる、そういうことじゃないですか。検察庁の内部はそうなっているんじゃないですか。上は責任をとらない、現場の検事だけ、失敗したときは責任をとらせる。そういうためにあなたはこれを答弁しないんじゃないの。
○大林政府参考人 今の責任の問題云々、内部の例えば責任の問題のこととは、ちょっと私はそれは違うかなと。
今のシステムは、あくまで主任検事がその権限に基づいてするべきだというシステムになっておりまして、最終的にそれは主任の判断において起訴したわけですから、その判断が間違っていれば、その責任を問われることはあるかもしれませんが、上がその責任を逃れるために今のシステムがつくられているというものではない、このように考えております。
○河村(た)委員 それなら堂々と言わないかぬですよ。検察、最高検も一緒になって、証拠に基づいて堂々と起訴しましたと。では、そう言ってくださいよ、名古屋地検、名古屋刑務所問題。
○大林政府参考人 先ほども申し上げましたように、一般論として申し上げれば、いわゆる重要事件について、決裁のやり方はいろいろ異なるとは思いますけれども、それは事件の性質等に応じて上級庁である高等検察庁なり最高検察庁がその相談にあずかるということはありますけれども、何度も申し上げて恐縮でございますが、具体的事件における決裁状況等について申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○河村(た)委員 これでは、やはり検察庁は聖域だね。聖域ですわ。神ですね。神の領域ですよ、これは。(発言する者あり)そういうことです。プロセスまで教えてもらえぬのですから。これは、ちょっと時間がないのであれですけれども、次にまたやります。
では、後で、教えられない理由をもうちょっと詳しく文書にして回答していただきたいんだけれども、それはいいですか。
○塩崎委員長 理事会で諮ります。
○河村(た)委員 それでは、リラックスして答えていただいてもいいんですけれども、仮に名古屋刑務所事案が無実となったときに、国会に対する皆さんの責任、国会議員もそのまま許されるとは私は思いませんよ、だけれども、これはどうなりますか。
ちょっと若干書いてきたんだけれども、特捜部長、次席検事、検事正、高検検事長、最高検検事総長、法務省刑事局長、法務大臣、この皆さんは国会に対してどういう責任をとられますか。国民に対してと言ってもいいんですけれども、これをちょっとお答え願えますか。
○大林政府参考人 今お尋ねの事件は現在公判係属中でございます。その具体的事件について、無罪判決を想定してのお答えはいたしかねるということを御理解いただきたいと思います。
○河村(た)委員 こう申し上げておきましたので、これは国会としては、重大なことですからね、もしこうなった場合は。
いいですか、委員長、これは重大なことですよ。なぜこうなったのかを明らかにして、しっかり責任をとってもらう。それを答弁してください、委員長。
○塩崎委員長 そのときはそのとき、議論しましょう。
○河村(た)委員 何ですか、それは一体。当たり前のことじゃないですか、そんなことは。当たり前のことではなくて、その場合は重大な責任が発生する、それは言ってくださいよ。
○塩崎委員長 あくまでも仮定の話ですから、どうなるかもまだわかりませんので、その結果が出たときに考えましょうと言っているんです。
○河村(た)委員 まあ、いいですわ、一応。もっと本当は委員長というのは権限があるんだから、権威があるんですからね、堂々とやってもらわないと。
○塩崎委員長 いや、だって、どうなるかわからないんだから、まだ。
○河村(た)委員 いや、なったときと言っているじゃないですか。
○塩崎委員長 それは仮定の話だと言っているんです。
○河村(た)委員 まあ、いいわ。一応、それでは、なったときはちゃんと議論するということでいいですね。
○塩崎委員長 そのとおり。
○河村(た)委員 では、もう一つ最後に、これは刑事補償の問題で、こういう無実を争ったような場合に、これは刑務官の場合なんかでも百分の六十出ていますけれども、あとの百分の四十については、これは裁判のことになるかわかりませんけれども、たしか出るのがあったですね。
○大林政府参考人 制度の説明をいたしますと、無罪判決が確定した場合、刑事補償制度の補償の範囲等につきましては、裁判所が、拘束の種類及びその期間、本人が受けた財産上の損失、得るはずであった利益の喪失、精神上の苦痛及び身体上の損傷並びに警察、検察及び裁判の各機関の故意過失の有無その他一切の事情を考慮し、公益の代表者である検察官と請求人の意見を聞き、決定し、補償額につきましては、その日数に応じて、一日千円以上一万二千五百円以下の割合による額の補償金を交付することができるものとされております。
○河村(た)委員 最後に一問、もう時間が来ましたので。
私選弁護人の弁護費用、それから鑑定、本来はこんなの法務省がやらないかぬのだけれども、物すごい努力をして、真相を明らかにしてやっているんですけれども、そのお金については、これはどうなるんでしょうかね。
ちょっともう時間がないのですが、国賠ということになると、いろいろな故意過失を証明せないかぬことになりますので、やはりそれは酷だと思うんですよね。そういう場合には、何か規定があるようなふうですけれども、実際、そんなことは、費用補償ですか、弁償ですか、そういうことでやったことはあるのか。
そこのところはもうちょっと、将来の対応についても、民間人が実は検察庁のやるべきことをやったわけですから、検察庁は無罪の代理人をすることもあるわけでしょう、公益の代表者として。その場合はやはりきちっと補償する、できぬならできぬでそういう道を今考えるとか、ちょっと一言、最後にお願いします。
○大林政府参考人 委員御指摘の弁護費用につきましては、刑事訴訟法に規定された費用補償の手続において弁護人に対する報酬が補償されることになっておりまして、その補償は、被告人であった者の請求により、無罪の判決をした裁判所が決定することになります。
また、鑑定費用につきましては、これも同様の費用補償の手続におきまして弁護人に対する報酬額の算定をするに当たり、必要かつ相当の範囲内でしんしゃくされるものと思われますが、最終的には、被告人であった者の請求により、無罪の判決をした裁判所が決定することになります。
○河村(た)委員 ちょっと不十分ですが、また今後引き続いてやります。
以上で終わります。