○山本委員長 次に、河村たかし君。
○河村(た)委員 総理をねらう男、河村たかしでございます。ごぶさたしておりました。
今、司法を国民のものとするためにどうした方がいいか、こういう議論を続けてきまして、やはり、身近なケースを通じて社会ということが出てくるので、ぜひ総理に、これは本当に聞いていてほしいんです。私が予算委員会で森山大臣もいるときに質問しましたよね、名古屋刑務所の事件。本当に聞いていてくださいよ、これ。
あの名古屋刑務所の事件は、ホースでしりに水をかけて死に至らしめた、刑務官が。それから、革手錠を締め過ぎて、これも一人、死に至らしめる。それからもう一人は、これは実は腸が切れたんじゃないんですけれども、傷になったということを、私、質問しました、本当に。今、本当に申しわけなかったと思っている、これ。
なぜかというと、事実を検証していなかった、僕は実は。だれに聞いたんだろうか、これを。何か党からは言われましたけれども、そんな責任にはしません。新聞に書いてあっただけ。これ、法務省の言っていることを全部うのみにしちゃった。もし冤罪だったらどうなんだろうか。やはり、当事者の刑務官の意見をなぜ聞かなかったんだろうかと。たまたま、総理、私、名古屋なものだから、友達の友達にいるんですよ。
だけれども、僕は、若干いいところは、やはり、とにかく相手の意見をどうしても聞かないかぬということがあって聞いたら、全く違っていました、全く違っていました。小泉総理の、小泉政権を本当に支えている、一番末端と言うと彼らは怒ると思いますけれども、本当に下積みでやっておられる刑務官、これは実は、本当に忠実にやっていたんですよ。全然違います。放水では全く死んでおりません、これ。
先ほどの午前中に新事実を明らかにしました。その放水の前にはいていたパンツ、こういうようなものです。これが、本物を出してくれと言ったら出してくれなかったから、自分で買ってきました。これは受刑者がはいていたのによく似たズボンです。ここに、しりに血がついていたということで、これを脱がせてから、脱がせてばっと放水しました、しりに。だから、放水の前に実は出血していたんです。これは、今確定しました、この事実が、午前中に。刑務官が来まして、見た人です、これをこうやって見た人です。こういうものはないということを、法務省の中間報告に実は出ています。それは虚偽であったと報告しています。こういうことが一つ。
それから、医師がそのうち来ると思いますけれども、水が入りますから、こういうふうになるんですよ、水腹に、当然、もしそうなら。だあっと入りますから、当然、そうでしょう。だけれども、豚で実験したのは、どうも、七リッターと三・五リッター、二つ、こういうふうになっていた。人間は、いわゆるこういうふうには全くなっていない。通常の水は入っていますけれども。これ、医師が言っています。水ではなかった。
それから、当時の水は、総理、民主党がやりました放水実験、御存じですか。知りませんか。知らないなら結構ですが、あれは実は六キロでやりましたけれども、実際は、法務省が言っておるのでも〇・六でした。東京都の水が一で、〇・六よりさらに低いんです、実際。上に二、三メーターしか、ここからだと天井ぐらいにしか飛ぶ水でしかなかった。それをかけたというだけの事件。
それから、もう一つの革手錠は、先ほどここでやりましたけれども、革手錠、これ、現物ありますよ。本物です、これは。レプリカではありません、本物。私、買いました、これ。法務省にくれと言ったけれどもくれない、貸してくれと言ってもくれない。だから買いました。なぜかって、冤罪に手をかすということは人間の最もおぞましいことだからですよ。私、政治生命かけてやろうと思っています。
これは、十センチごとに間隔があって、緩いか、その後かなりきついかなんです。十センチあるんです、間隔が、これ。それ以上、十センチは引けません、機械でない限り。そういうことなんです。
だから、これは、いわゆる革手錠じゃなくて、ほかの何か、例えば、制圧しますとばたばたっとなりますわね、暴れているから。だから、こういうところで、角で打ったのではないかということを、その中の、今、無実の罪で入っている方が言ったけれども、一切取り上げてもらえなかった、捜査に、こういう現状なんです。
野党の質問が非常にきつくて、法案がとまったりしましたものですから、そんなことで、上の方から、これはいかぬ、何とかせないかぬという指示があったとも聞いております、そういうような指示が。
そういうような事実の中で、どうやってやったら、僕は経済の方がもともとは専門でよく質問させていただいておりますけれども、国家の独占というのはやはり間違いが起こりやすいということだと思うんですね。司法の民主的コントロールというのもそういうことです。
だけれども、裁判というのは人権擁護の最後のとりでだと言っていまして、これはもう絶対に公正にやらないかぬということでございますが、冤罪というのは、総理、抽象的に、まず冤罪というのはどう思いますか。
○小泉内閣総理大臣 実際、罪を犯していないのに、罪を犯したように犯人扱いされるということで、はかり知れない損害を受けている方も、過去にも現在にもいると思いますし、今、河村議員が言われたことを私は初めて聞きました。今までの報道によれば、実に残酷なことをしたという報道が多かったわけでありますが、現実、よく当たってみると、必ずしもそうじゃないということでありますが。
この冤罪を晴らすためにはどれだけの本人の苦労なり努力が要るかということでありますが、同時に、冤罪をなくすような制度的な整備も大変重要ではないか。どのように冤罪を晴らすか、細心の注意が必要だと思います。そのためにも裁判制度があるわけでありまして、一方的な裁判が行われないような制度面と運用面、また、人的な配置等、十分な細心の配慮が今後も必要だと思っております。
○河村(た)委員 そんなに総理と話せる時間がありませんので、もう一つ事実だけ言っておきます。
ここにタッパーがあるんですけれども、実はこういうものが保護房に入っていたんです、かたい、硬質プラスチックが。実は、これがばりばりに割れていまして、こういうような破片状になって散乱していた。これはきょう午前中証言されましたから。こういうものがある。これを、こういう場ですけれども、肛門の中に入れると、ちょうどそのときの状況の傷ができるんです、その受刑者の。そういう事実がある。これは可能性がある、非常に可能性が高い、これでやったと。なぜそんなことをやるのかについては、きょう言いましたけれども、保護房を出たいためにやる場合があるということです。
それから、これは医師が言っていますけれども、豚の方の放水は、肛門の周りが赤く炎症を起こしておりまして、ぱっと見てわかるというそうです。だけれども、人間の方は一切そういうことがなかったということで、本当に、どう見たって、これはやはり公訴を間違えたとしか思えない。やはり僕は、故意だとは言いませんよ、それは人間も間違いがあるから。検察庁は間違いないんですか。やはりそれはないでしょう。あってはなりませんけれども。
こういう前提に立ってぜひ、法務大臣、ちょっと伺いますけれども、最高検が名古屋の地検にこうしてほしいとか、起訴してほしいとか、そういうことを言ったやに聞いておりますけれども、そういう話はありませんか。
○森山国務大臣 検察の関係者は、最高検あるいは事によっては高等検察庁その他それぞれの上級官庁に対して、こういう件があるのでどうしたらいいかという御相談をしたり、あるいは自分としては起訴をしたいと考えるがどうかというような御相談はすると思います。それぞれ上級官庁からその意見を申すでございましょう。しかし、最終的には、決定するのはそれぞれの所轄の検察庁であり、そこで起訴ということを決めたものだというふうに思っています。
○河村(た)委員 そんなことを聞いております。
僕、今総理の話を聞いて、反対にあれっと思って非常によかったと思ったんだけれども、普通、形式的な判断できまして、そんなことだったのかと言わずに、いや、そのことは捜査当局に任せてありますと言うかなと思ったら、やはりさすが総理だと思うね。非常に率直で、そこのところはすばらしいと思いました。
それで、総理にお願いしたいのは、私もこういうところでしゃべっておる以上は相当な決意もありまして、何しろ、イラクとか北朝鮮で疑獄事件、いわゆる政治犯というのがありますよね、あれは敵対しておる人間をああやってやるんですけれども、あれもいかぬですけれども、小泉政権の、あなたの政権を支えている、本当に足の先で支えている刑務官の皆さんです。この皆さんに、今、客観的に、きょう午前中に今言いました血のついたパンツがちゃんと証言で出ましたから、だから、これは放水以前に出血していたということです。ですから、この事件をもう一回徹底的にぜひ、あなたが社長の会社の一番現場で苦労している人たちですから、僕たちも委員会でもやりますけれども、全部きちっとやり直して、そこから法務省がどういう体質であったんだろうか、そういうことも出てくると思いますけれども、それをひとつお答え願えませんか。
○小泉内閣総理大臣 実は、今初めて聞きまして、実際驚いているんです。
今までの報道ぶりから判断しますと、いかに刑務官が受刑者を残酷に扱ったかということについて、多くの人は疑いを持たなかったと思うんですね。それは、今初めて、河村議員の話で実はそうじゃなかったんだと。こういうことはまさにあってはならないことでありまして、いっときの感情論にとらわれないで、冷静に、事実を正確に把握するということが裁判にとって最も重要なことでありますので、今言った御指摘を十分踏まえまして、法務省としても、この事件の対処に誤りなかったか、手落ちはなかったか、しっかり再調査する必要があると思っております。
その上で、もし過ちがあれば、今後それを正していくというような対応を考えていかなきゃならないと思っておりまして、今の御意見というものを、現場主義といいますか、みんな自分の目で確かめるという、その河村議員の対応にも敬意を表したいと思います。
○河村(た)委員 ありがとうございます。
私も、五十四にもなりまして、こんなとんでもない質問をしたと思って、本当に申しわけないと思っています。謝罪したいと思っています。
それから、総理、家族の方がこれは無給なんですね。停職処分で無給なんです。無給だけではなくて、聞きましたら、保険を払わにゃいけない、社会保険を。だから、毎月七万円ぐらいマイナスになっていて、ある人は兼業も実質上ほとんどできないような状況になっていて、無農薬野菜を商うというか扱って、なぜといったら、残った野菜は黄色くなるでしょう、それをみんなで食べて、前田さんとか皆さんに分けて、そうやって生活しているというんですよ。だから、裁判だ、裁判だと言われる人はいるんだけれども、僕は、裁判がとても、これは何年かかるかわかりませんよ、皆さん否認していますから。これはイコールフッティングになっていないんですよ。
だから、これは総理、一刻も早く、本当に皆さんの仲間だったんです。私わかりましたけれども、暴れておると、発報というんだけれども、ブザーが鳴るらしいです、ジーンと。何もそんなことをやらずに、便所かどこかにおれば楽なんだけれども、一番最初に駆けつけた最も職務に熱心な、そういう人たちがみんなこんなふうになっちゃったんですよ。みんな起訴されている。どうしても制圧しに行くから。
ですから、総理、本当に、無給でこういう苦労になっていますので、ぜひその点も踏まえて、一度法務省にそれをちょっと調査させるか、これは総理の感覚でいいですから言ってください。
○小泉内閣総理大臣 これも実際冤罪だとしたら、こんな逆に残酷なことはないのでありまして、この無給かどうかという問題について、これは実に悩ましい問題だと思うんです。今、国会の議論でも、逮捕されて勾留された人に本当に給与を与え続けていいのかという批判もあります。それで、実際の犯罪者に対しての問題と冤罪であるということに対して、区分けというのは実に難しいと思います。
しかし、現実の問題として、もしも冤罪だとして、給与が支給されなくて、家族までがつらい目に遭っているということは、これは忍びないことでありますので、どういう対応があるのか、これは本当に難しい問題だと思いますが、御指摘の点を踏まえて今後十分検討されなきゃならない問題だと考えております。
○河村(た)委員 それからもう一つ、やはり総理の部下ですから、ぜひ家族の意見を聞いてやってほしい。やはりいろいろ聞かなきゃだめだと思いますね、こういう究極的な場面になったら。これもぜひ総理、お忙しいこと、ようわかっています、ようわかっていますけれども、こういうやはり本当の末端で働いている人たちの意見を聞くというのは、僕は総理の性格ならやってくれると思うので、ぜひ聞いてやってもらえませんでしょうか。
○小泉内閣総理大臣 私が直接聞くかどうかは別にいたしまして、この問題、今御指摘の点も踏まえまして、法務省担当者に十分意見を聞いて、その実情についても私も関心を持って対応したいと思っております。
○河村(た)委員 ひとつせっかくですから、一般論にこれを広げまして、こういう起訴を間違えた場合どうするかというのは、やはりこれは歴史的に、世界的に大きい問題なんですよね。例えば、アメリカだと大陪審というのがあって、起訴そのものが適当かどうかを、陪審員みたいに入って決めるんですよね。だから、総理、せっかくここまで司法の国民参加に踏み出すんですから、やはり一たん起訴されたら終わりなのかと。
それから、名誉もすごいですよ、総理。これは、新聞を読まれたと思いますけれども、放水のときなんか特にですけれども、陵虐的事件ですから、これは。だから、そういうことにならぬように、ぜひこの際、起訴そのものの乱用というか、まあ失敗ですね、要するに乱用というより、多分、人間ですから、検事総長も誤ることはあると思います。私でも過ちはありますよ。そういうときにどうやってチェックしていくか、そこをもう一つ踏み込むというところをひとつ御答弁いただきたいと思います。――いや、これは総理にしてください。
○小泉内閣総理大臣 検察の判断が常に正しいとは限りませんし、もし間違いがあれば正さなきゃなりませんし、その一つの制度として検察審査会というものもあると承知しておりますし、これから国民の健全な意見というものが反映されるような制度というものも十分工夫しなきゃいかぬと思っております。
○河村(た)委員 総理、検察審査会というのは、ですから不起訴不相当なときなんですわ、あれは。不起訴処分が不相当だから問題にしよう、起訴にしようという話なんですね、これは。だけれども、今言っている話は起訴不相当の場合ですね。今の、現に名古屋刑務所の事件、私はそう言っている。起訴が失敗したという場合に、今のところないんですよね、何も。一般的には無罪の判決をとることになります、無罪の。無罪の判決をとるためには、これは、当然おわかりになるだろうけれども、何年もかかって大変なことになります。
ですから、今あるんですよ、制度は、アメリカは大陪審というのがあって、イギリスは廃止したらしいんですけれども、やはり起訴そのものがどうかということを国民が参加するというのがありますので、大臣じゃなくて、これは別にいいです、これで言ったから総理がどうということはないけれども、ぜひ、今回のあの名古屋刑務所事件を振り返り、またもう一つは、国会が、やはり国会というのは裁判の手続じゃないですから、当事者の言い分を聞く手だてがないんですよ、これ、考えてみたら。だから、非常に危険なことが起こり得るんですよ。
その辺も含めて最後に一つ、いやちょっと悪いけれども、時間がないから、ちょっと総理に、国会も含めてですから、ぜひ御感想を承って、終わりにしたいと思います。
○小泉内閣総理大臣 これは本当に珍しいケースだと思うんですね。このような事実を指摘されまして、やはり現実の犯罪捜査に対して、どのように正当な捜査が行われるかということに対して大きな一石を投じられたと思っております。この御意見を十分踏まえて適切な対応をするように、さらに法務省内での一層の、今までのあり方に対する反省も含めて、対応をしっかりするようにしていきたいと思います。
○河村(た)委員 終わります。ありがとうございました。
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