藤井委員長 次に、河村たかし君。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 それでは、森山大臣につきまして、それから総理にも後で森山大臣の責任について伺いたいということでございます。
 私のふるさと名古屋でございますけれども、そこで二人の受刑者が亡くなられて一人が重傷を負われたということで、どうもこれが、大臣はいろいろ謝ったりされておりますけれども、本当にそれで済むのだろうかということです。やはり大臣というのは、私は別に個人的に何の恨みもありませんけれども、非常に重い重責を担っております、当然のことながら。
 特に、それが法務大臣ですからね、法務大臣。法務大臣なんだ。これが非常に重要なんだよ。法務大臣、法の正義をつかさどる方がきちっと、罪と罰というか、やったことのけじめがつけられなかった場合は、一体日本国民に対してどういうことが言えるのかということで、私は、結論から言いますと、森山さんにまことに申しわけないけれどもやめていただかなければ、到底この刑務所問題はおさまらないというか法の正義は貫かれない、こういうふうに思っております。
 ところで、まず、前の委員会でありましたけれども、情願というのがありまして、受刑者が、要するに訴える手が何もないものだから、これは「大臣ニ」と書いてありますね、「進達ス」という手段を持っております。
 それで、何とびっくりしましたけれども、私も驚いた。毎年百三十も暴行情願、これがあったらしいんですよね。毎年というか、平成十三年、十四年のところですけれども、職員から暴行を受けたというので、何と百三十件ずつあったと。この声が届いていませんでしたか、大臣。どうですか。
森山国務大臣 名古屋の刑務所でありました一連の事件につきましては、まことに申しわけないと思っております。
 私も、もっと早くにいろいろな情報がたくさん入っていれば、このようなことにならないように手が打てたかもしれないと思いまして、まことに申しわけなく、心から反省しているわけでございます。
 先ほどおっしゃいました情願のことでございますが、情願につきましても、私は、就任当時は存じませんでしたが、しばらくたって、昨年の夏ごろでしたか、参議院の先生からの御質問にかかわりまして説明を聞いたことがございますが、それ以後、これは、大臣あてという、社会から隔絶されている人たちがぜひとも聞かせたいということで出すものであるから、それを大臣がやはり見なければいけないのではないかというようなことを申したものでございましたが、量的にも、数がたくさんありますし、どのように整理したらよろしいかというようなことも含めて検討をいたしますということで、ことしになりまして初めて全部私が見るということになりました。
河村(た)委員 ここでちょっと資料を配っていただけますか。皆さんのお手元に今資料が、これは内部の資料でございますけれども、行きます。
 いいですか。平成十三年及び十四年に処理した法務大臣情願の申し立て事項について。職員関係と、ずらっとありますね。総理もぜひ、後で聞きますから、見てくださいね。十三年、職員関係千九十一と、いろいろ書いてありまして、その後、米印になっていますね。「職員から暴行を受けたとする申立ては、上記表中の「職員関係」に分類されるところ、取り急ぎ調査した結果、平成十三年、十四年ともおよそ百三十件であった。」百三十件ですよ。これは受刑者の最後の叫びなんですよ。これしかないんだ。これしかないんだ、手だては。最後の叫びなんです。これが毎年百三十もあった。
 いいですか。その後、行きましょう。「上記表において、「苦情処理」とは、幹部職員との面接、情願処理に対する不服等を、「保安」とは、独居拘禁、検査、保護房収容、戒具等に関する不服を、「給養」とは、食事、衣類・寝具等に対する不服をそれぞれ指す。」ということで、保安というものの中に戒具等に関する不服も、これまで入っているんですね。だから、後で出てきました五月、九月事犯では、いわゆる戒具で亡くなっているわけですよ、革手錠というので。これはこっちに入っているんだよ。
 そうすると、何とこれだけ膨大な数の受刑者の声が一体どこへ行っておったんだ。何をやっておったんですか、あなた。悪いけれども、これは知らなかったで済まされないよ、言っておきますけれども。
 矯正局長、これはあなたは知っていたのかね。
中井政府参考人 承知しておりました。
河村(た)委員 承知していたと。
 これ、大臣に何も言わなかったんですか。
中井政府参考人 実態についてでございますけれども、実は、非常に長い間の実務慣行といたしまして、矯正局長の段階で事案を処理しておりまして、大臣のもとに上げるようになりましたのは、先ほど大臣の御答弁にもありましたように、昨年来から検討いたしまして、本年に入りまして大臣の方に案件を上げるようになった、こういう経緯でございます。
河村(た)委員 では、この書類は本当のものですね。本物かどうかだけ確認してください、皆さんの内部の。
中井政府参考人 新聞報道の内容の確認はいたしかねますけれども、山花委員の資料要求に対して、多分同じものだと思いますけれども、お渡しした事実はございます。(河村(た)委員「これは本物ですね」と呼ぶ)
藤井委員長 ちょっと待ってください。ちょっと待ってください。質問するときは――資料は行っているんだから。(河村(た)委員「見せたでしょう。自民党の方から見せたはずですよ。ちゃんと言ってください、マイクに入るように」と呼ぶ)
中井政府参考人 間違いございません。
河村(た)委員 では、これは法務省内部の資料ですね。
 それで、この情願というのは、一たん上がってくるとどこでやるんですか。あなたが全部見るわけじゃないでしょう。
中井政府参考人 御説明させていただきます……(河村(た)委員「矯正局の中のどこか」と呼ぶ)
藤井委員長 河村君に注意します。着席のまま勝手に発言しないでください。
中井政府参考人 委員御案内のとおり、情願書につきましては、被収容者がみずから封筒に入れて、封緘いたしまして、封印いたしまして、行刑施設の職員に提出するわけでございます。行刑施設の長が被収容者から封緘された情願書を受け取って、これを速やかに法務大臣に進達することになっております。
 具体的に申しますと、これまでは、行刑施設の長から進達された情願書は、矯正局の職員におきましてこれを開封してきたわけでございますが、現在では、情願制度の趣旨にかんがみまして、進達された情願書は、法務省大臣官房秘書課におきまして開封いたしまして、その全部について法務大臣が内容を確認するとともに、問題があると認めた場合は、その旨指摘するように改められているところでございます。
河村(た)委員 内部の、矯正局の中のどこですか。矯正局の中のどういう部署か、言ってください。――知らないじゃないか。どうなっているんだ、これは一体。
中井政府参考人 矯正監査室でございます。
河村(た)委員 矯正監査室の職員は、刑務官の方じゃないですか、かつて。それから、転勤によって本省からまた刑務所へ戻るんじゃないですか。
中井政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、矯正監査室の職員は、いずれも一般的な矯正職員の人事異動計画の中で配置されているものでございまして、いずれ刑務所等の矯正施設に異動させることもあり得るところでございます。
 同室におきましては、これまで事務処理を行ってきたわけでありますが、情願の今後の取り扱いといたしましては、先ほど申しましたように取り扱いを改めておりますので、大臣から指示があったものにつきましては、今後は、人権擁護局において調査等が行われることとなっております。
河村(た)委員 注意してくださいね。今後のことを聞いておりませんから、今後のことを。僕ばかり注意せずに、ちゃんと言ってくださいよ。
 要は、これは、刑務所官吏これを開披することを得ずということになっておるんですよ。これは、僕は人類の知恵だと思いますね。やはり受刑者が、刑務所官吏ではいかぬから、直接あなたのところに行くようにと。こういう歴史の知恵ですよ、これ。ところで、矯正局の今あける部局は、いつもこれ、転勤して、その人たちなんですよ、刑務所の官吏の人たち。何が言いたいかというと、あなたが見なきゃだめだということなんだよ。そういうことだ。
 あなたは、なぜ就任以来こういういろいろな制度を勉強しようとしなかったんですか。
森山国務大臣 おっしゃるとおり、先月になりましてから、全部を私が見るように変わりました。(河村(た)委員「過去のことですよ」と呼ぶ)
 今までは、先ほど申し上げましたように、最初のころ、このような話がございませんでしたので、私自身承知しておりませんでしたが、昨年の十一月ごろに承知いたしまして、その後、検討し、直すようにということを言ったわけでございます。
河村(た)委員 大臣、だから、あなたはこういうことを見る義務があったということでいいですね、情願を。きちっと答えてください。
森山国務大臣 私の責任だと思います。(河村(た)委員「義務があったと」と呼ぶ)義務もあると思います。
河村(た)委員 そして、その義務を果たしておれば、電話を一本でもかければ、いいですか、毎年百三十件だ、膨大な数なんだよ、一本でも名古屋刑務所へ電話をかけておれば、この結果を防げていたと思わないですか。
森山国務大臣 百三十の情願のうち、幾通が名古屋であったか、あるいはその中の事実が、確認をしてから訂正したり注意したりするわけでございますが、その事実がどのように確認できたかということが、よく今私、数字もありませんのでお答えいたしかねますが、確かに、おっしゃいますように、私が直接最初から見ておりましたならば、もう少し事態を全国的に改善することはできたかもしれないというふうに思います。
河村(た)委員 よし、大分詰めてきましたね。
 それから、五月の革手錠事件の後、局長から大臣に報告が行っていますよね、捜査が継続されるというふうに。これはあなた、聞かれましたね、そこで。
森山国務大臣 報告は聞きました。
河村(た)委員 いや、これは本当に申しわけないですけれども、あなたは明らかにこういう受刑者の声を聞くべき法律上の義務のある立場にいた、そうですね。それで、その義務をちゃんと履行しておれば、この悲劇は防げたということですよ。なおかつ、五月にも局長からさらに報告を受けて、捜査が継続しているとまで聞いている。犯罪があったということでしょう、これ。あなた、これ、知らなかったで済まされると思うんですか、まだ。
森山国務大臣 大変申しわけないことだったと思います。これを少しでも早く改善して正しい方向に持っていかなければいけないと考えまして、情願をまず自分で見ることにいたしましたし、改正するべくいろいろな努力をいたしております。
河村(た)委員 悪いですけれども、僕は余りこういう場でも言いたくないとも思うんだけれども、しかし、これは政治上の責任を超える可能性がある。エイズの事件もありましたよね。行政の過失責任、これは。これは法律上の責任があるんだよ、あなたは。法律上の明確な責任がある。本人も認められた。そして、本人がきちっとやっておれば結果が避けられたであろうということも言っておられるということです。そうなると、業務上過失致死の可能性は十分にある、これは。
 それどころじゃなくて、刑務所の内部ではどうも、矯正局長でとまっておったというのはさっきのでもわかるけれども、矯正局の見るところは全部刑務官なんだよ。そこの中でわざととめて、これはわざと情願をさせて――情願をするということは説明しているね、一言、受刑者に入所のときに。
中井政府参考人 入所に当たりまして説明しております。
河村(た)委員 あなた、受刑者にだけ説明して、大臣に説明せぬとは何ということなんだ、一体これは。どういうことなんだ、一体。こんなの謝って済むものじゃないよ、本当に。犯罪を隠ぺいしたんじゃないのか、組織的な。見たのはみんな刑務官たちなんだよ。
 それから、何人情願者の中で亡くなったか。これ、ちょっと報告してください。
中井政府参考人 お答えいたします。
 取り急ぎ調査させていただきました。過去二年間に処理を終えたもののうち、お尋ねの、情願を申し立てた者が収容中に死亡した事実はないというぐあいに、とりあえずの調査結果では報告を受けております。(河村(た)委員「ない」と呼ぶ)はい。過去二年間でございます。
河村(た)委員 本当ですかね。もし違っておったら大変ですよ、これは。情願者で、ない。間違いありませんか、これは。一応そちらに、報告できないと聞いておったんですけれども、ちょっとびっくりしましたけれども。
 それは一つとしまして、そうしましたら、あと、大臣が自分の責任として三カ月分の給与。どういうことですか、これ、百五十万で。あなた、あなたがきちっと行為しておれば全部防げたんですよ。三カ月分の給与というと、僕は調べましたけれども、百五十万だそうじゃないですか。議員の給与じゃない、役人の給与だけで。そのとがというのが、一人亡くなって一人重傷ですよ。亡くなった方が百万で、重傷の方が五十万とでもいうんですか。そんな話なの、自分の、法務大臣として法と正義をつかさどる人がとる責任は。どうですか。
森山国務大臣 一連の事件に、しかも現在までに事実が明瞭になったものについて、かかわった人々、私も含め、はっきりと処分をした方がいいということを考えまして、二十八日に処分を発表いたしました。
 私については、おっしゃいますように大きな責任があると思いましたので、どのような方法をしたらいいかということを、他の例なども検討いたしまして、そしておっしゃるようにいたしたわけでございまして、これは、何が幾らとかいうことではなくて、全体としての責任を担うという意味で、そういう意味でこの辺が妥当ではなかろうかというふうに思ったわけでございます。
河村(た)委員 きょう、また新たな告訴があったのは知っていますか、大臣。これは先ほどですけれども。きょう、本当に先ほどですから、知らないなら知らないでいいですから。
森山国務大臣 存じませんでした。
河村(た)委員 これは、七月にまた事件があったということで、きょう、また告訴がありました。これはどんどんふえてくるじゃないですか。
 総理、あなた、申しわけないけれども、任意に国務大臣を罷免できると書いてあるんですね、憲法に。これは、やはり内閣の一体性を保つということでございますので。
 これは本当にいいと思いますか。知らなかった、それで、はっきり因果関係も認められておる。謝って済むことであれば、私はそれの方がいいですよ。だけれども、だめなんです、これは。こういうことにけじめをつけていくというのがやはり政治というものじゃないですか。これは総理、どうですか。罷免されませんか。
小泉内閣総理大臣 情願制度というものについて、いろいろ反省すべき点が多々あったと思います。また、今言われるような御指摘、正すべき点、よく反省しながら、今後、御批判のないような対応を図ることが私は法務大臣の責任であると考えております。
河村(た)委員 そうしたら、あれですね、不適正でないと。だから、大臣は森山大臣のままで適正であると言うんですね、解任しないと。そういうことだったら、今度は連帯責任になりますよ、総理大臣。あなたが自分自身で、またいろいろ出てきたら責任を負われますか。やめにゃいかぬですよ、本当に、また出てきましたら。どうですか。
小泉内閣総理大臣 御指摘の点を反省しながら、不備な点、過去の点、いろいろ反省して、このような御批判を受けることのないような対応をとるのが責任だと思っております。
河村(た)委員 いや、これは信じられませんね。
 それじゃ、全国の青少年に言ってくださいよ、総理大臣。いいですか、自分の職務を忘れて、それで、ちょっと努力すれば結果が避けられた。二人死んだ、それで。それも、殺された可能性がある。重傷もいる。それで、あれですか、これから頑張ればいいんですか、知らなかったでいいんですか、百五十万でいいんですか、三カ月分の小遣い返せばいいんですか。どう思われますか、これは。
 総理大臣、よく考えてください。守っちゃだめですよ、そういう仲間の論理だけで。これは法務大臣ですよ。だめなんだ、役所の論理で身内を守っては。どうですか。もう一回、総理。いや、総理、総理に聞きたい。全体の。
森山国務大臣 大変厳しい責任を感じておりますが、そのような経験をさらに生かして、これからの法務行政をより健全に、またオープンにしていかなければならない。そのためには、省内に行刑の検討委員会をつくり、さらに、近いうちに、社会的にこのような問題に見識をお持ちの民間の方に参加していただいて、行刑改革の会議をつくりたいというふうに考えております。
 そのようなものをスタートいたしまして、世間の皆様に御理解をいただき、また、信用を獲得しなければならない、それが私の仕事であるというふうに思っております。
河村(た)委員 先ほどの、ちょっと戻りますけれども、ぜひこれは、情願者で死亡した方の数、ずっとさかのぼって出してもらえぬですか。どうですか。大臣でもいいですよ。
中井政府参考人 お答えいたします。
 特に名古屋刑務所を中心にいたしまして、可能な限りやらせていただきたいと思っております。(河村(た)委員「全国、言ってくださいよ、そこで」と呼ぶ)
藤井委員長 河村君、質問してください。
河村(た)委員 全国でお願いします。
 時間がもったいないですよ。大臣、答えなさい。
中井政府参考人 可能な限りやらせていただきたいと思います。
河村(た)委員 それから、大臣、記者会見のときに、反社会的傾向の強い人たちを制圧すると言って、受刑者をこう呼びましたね、あなた。これはどう思いますか。こんな人権意識では、これはやめてもらわないかぬですよ。何ということですか。
 犯罪行為に至ったときは確かに反社会的だったかわからぬ。しかし、これは、刑務所というのは矯正施設なんだよ、矯正局というんだよ。こんなことを言うようなら、やめてください、本当に。どうですか。
森山国務大臣 犯罪を犯してしまって、残念ながら刑務所に入らざるを得ないという方がたくさんいらっしゃいまして、その方々の中には、私が申し上げたような傾向がそのまま相変わらず続いてしまう人もおります。また、多くの方は一刻も早く更生したいということで努力をしているわけでございますが、いろいろなレベルの、いろいろな内容の、さまざまなバックグラウンドの人が一緒に入っておりますので、それらを全部制圧して、静かな、秩序のある刑務所を保っていかなければいけないという仕事を持っている刑務官に対して、その仕事がさぞ大変であろうということを思いまして、そのような発言をしたのでございました。
河村(た)委員 本当にこれでは情けない、こんな人権感覚では。申しわけないけれども、やはりやめざるを得ないと思うよ。犯罪のおそれがある、これは不作為の。
 それから、時間がありませんから最後になってきますが、これは雪印食品でも、それから山一さんでも……
藤井委員長 河村君、時間が来ています。
河村(た)委員 検察が捜査しまして、みんなトップが責任とったじゃないですか。そういうものなんですよ。法務省のトップがこんなことで本当にいいと思うんですか、総理大臣。これをひとつ最後に答えてください。
小泉内閣総理大臣 いいとは思っておりません。反省すべき点、正すべき点が十分ある、そういう点を踏まえて、こういうことが起こらないように十分な対応をとるということで責任を果たすべきだと思っております。
藤井委員長 これにて河村君の質疑は終了いたしました。
 
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