中井委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 委員各位に一言申し上げます。
 御発言は、先ほどと同様、着席のまま、挙手の上、委員長の許可を得た後に、できる限り簡潔にお願いをいたします。
 それでは、先ほど我慢をいただきました河村委員からお願いいたします。
河村(た)委員 河村たかしでございます。
 きょう、ずっと聞いておりまして、学者の先生というか、こうやって皆さん聞くと、やはり日本人というのは意外と分権的思想というか、できるものだなと。それが、一転、国会に来ますと、これが全部党でがんじがらめになっていまして、きょうも、すばらしいんですけれども、実は党議拘束がないものですから、当たり前のように思えますけれども、全くこういう自由な議論を、本当の意味で自由ですよ、するというのは非常に珍しい。それプラス、予備的調査というのをしておりまして、これも、普通は役人のレポートなんですけれども、国会がみずから出したということで、基本的に今までの流れを国会がみずから変えることができるということはすばらしいことだというふうに感じております。
 とにかく、日本は党で全部やりますから、党が刑務所というと怒られますけれども、そういうことで、個人の力を出す国をつくっていけばいい国になるんだろう。したがって、国会移転のあり方も、やはり一番大きいところは、強度にインテグレートされたというのか、そういう集中したものではない、分権型とよく言いますけれども、そういうものにしていかにゃいかぬということが一番の課題で、スターリン型の、山の中に森を切り開いて宮殿をつくって、国会議員がその横を歩いておるような国は、絶対に国力は伸びません。やはり稼いで税金を払う納税者というか、実業の世界で生きておる人間が一番大事にされる、そういう国をつくっていかにゃいかんということで、ぜひ委員長殿におかれましては、これからが大事なところでございますので、党で全部決めるということを……
中井委員長 委員長に対する注文よりも、参考人のお二人に対する質問を。
河村(た)委員 皆さんには、党で全部拘束をされぬように。そうすると、いい意見は全部死にますので。御要望しておきます。
 では、きょうの皆さんには、まず、今の、審議会の方針に従った移転のやり方、あれならしない方がいいかどうか、それをひとつちょっとシンプルにお聞かせ願いたいと思います。
 それから、議事堂を木でつくるというのは私は前から言っておりまして、大賛成でございまして、議事堂ぐらいだけは超立派にして、あとはそれこそ貸しビルでいいんですよ、こんなのは。公務員が偉そうな顔をしておる社会は本当にいかぬですから。そういう移転像でいいのではないか。
 この二点についてどうですか。
寺島参考人 私は、一言で言えば、何らかの形でも首都機能移転という議論の芽を残すためには、段階的接近法でも実現していく方向に意思を固めていくべきだという議論です。
 一つだけつけ加えさせていただきたいんですけれども、今、例えばスペインのバルセロナでサクラダ・ファミリアという教会を百年以上建て続けているプロジェクトがありますが、あそこへ行ってみると、日本の若者が結構な数、ボランティアプラス大変な意志で働いているんですね。何でだと聞くと、自分たちが情熱を傾けるプロジェクトが欲しかったと言うわけですね。今、この国の閉塞感の中で、若い人たちが、自分たちがつくり上げていく日本に参画するきっかけになるような、つめを立てるようなプロジェクトというのが果たしてどれだけあるのかということなんですね。それを構想してプラットホームをつくるのが大人社会の責任じゃないか。
 したがって、この話をより軌道に乗せるための一つの具体的な提案として、僕は国土交通省の方なんかに言っているんですけれども、例えば、大学生から就職に入るときに若者を、かつてアメリカがニューディールで実験したように、五千人ぐらい、新しい首都機能というものについてもう一回若者を参画させて、しかも半分は女性ですね、女性の、若い人たちの感性で、一体未来の日本というものをどういうふうに創造するんだというプラットホームを提供するようなことをやれば、一気に首都機能移転に対する若い人たちの関心も、いわゆる世論の盛り上がりも動き出すのではないかというようなことも考えております。
川勝参考人 河村先生の言われたことに基本的に賛成です。郷土の力を出すということが一番大事ですということでございますが、今、日本の東京以外の地域が力を東京に吸われている、これは若者も含めてですけれども。そうした中で、郷土の力あるいは地方の力というものをどう出すかということを国政を考えてくださる先生方にはぜひお願いしたいと存ずる次第であります。
 その場合に、もし、一つの外国の例ということでいいますれば、私はEUだと思います。EUにおけるブラッセルあるいはストラスブルク、ここに議会の本部がございますけれども、それは決して大きいものではありません。そして一方、フランクフルトやあるいはベルリンやあるいはロンドンやあるいはパリ、ローマといったところは、それぞれその地域性、郷土性というものを大いにフルに発揮しているのであります。したがって、中心というものがばかでかくて、その周りに小さな周辺地域があるというのではなくて、中心が小さくなることによって、しかし地域が元気になる、そういう形もあるということでありますね。
 その意味におきまして、私は、森の中を濶歩すると言われるよりも、まさにこのように森を大切にしているというようなメッセージ性、そういう意識を持っていただきたいとさえ思うのであります。
 それで、森の議事堂に対して先生が御賛成であると言われました。私は、木造だけにすると弱いので、鉄筋木造というふうにするのがふさわしいかと存じます。鉄は人類の歴史とともに古いわけであります。これを腐らぬように、ガラスや近年の技術を駆使して、しかし木造にする。この木造は、日本がその国土の七割を森で覆われているからということでございます。しかも、北は亜寒帯の樹木、南は照葉樹林の樹木というものがありまして、その意味におきまして、世界の自然生態系のミニアチュアという面がございます。そうしたものを一堂に集めることによって、木造にするという意味であります。これはむしろ樹齢が何年、その樹名が何か、どこに生えていたかというように、ある意味で床柱のようにして、各府県から百本出せば四千七百本ですから、四千七百本の床柱が並びますと壮観であります。しかも、そのときに先生方が、この柱を一柱として我々は神を古事記以来数えてきたということで樹木を大切にするのだというふうに言われますならば、仮に屋久島の杉でございますれば一千年を保たせることができます。すなわち、我々の子々孫々にわたってこれは使われていくだろうという意味におきまして、集まり散じて人はかわっても、日本の自然がそこにある、その自然は一方で世界の生態系の代表でもあるということで、それを大切にしているんだということが地球社会へのおのずと発信にもなるというふうに信ずる次第でございます。

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