鈴木(淑)委員 おっしゃるとおり、法人擬制説とかそういう哲学論争をしてみたり、あるいは転嫁しているかどうかという議論をしたりすると、これは泥沼に入りますね。もう少し私は実際的な観点から考えているんでございます。
 それは、やはり企業が資金調達するときに、増資よりも借り入れ、社債発行の方が有利だというのはいかがなものかな。それから、個人が株式で自分の貯蓄を長期保有しようとしたときに、これは二重課税になっているとかいう議論を聞いて、それが阻害要因になっていたらちょっとまずいねとか、そういう実際的なアプローチでございますから、えいやと、二分の一でも、やった方がやらないよりましじゃないかということなんでございます。そういう意味で、さっき、三つの税制改正の方向をぼんと打ち出すだけでも株価対策としては今までのよりもはるかに有効と申し上げたわけでございます。
 最後に、河村提出者、急遽お越しいただきましてありがとうございます。
 私は、河村さんと新進党で御一緒しておりましたときから、NPO税制について一緒に議論してきております。したがいまして、今度野党三党が出してきましたNPO法案の考え方は十分理解すると同時に、賛成なんでございます。
 よく河村提出者がおっしゃいますように、国民は、自分の税金の使い道を国に任せるか、あるいは自分で指定するか、これはそういう問題ですよと。NPOに寄附したら国への税金から控除してもらえるというのはそういう思想が背景にあるというのも、私は、民主主義のあり方として、それから個人の自立の問題からいっても、よく理解できるところでございます。
 したがって、政府の今出ております租特法改正案ですと、大分この恩恵に浴するNPOの対象は絞られる、それに対して野党案だともう少し広いという意味で賛成なんでございますが、たった一点、あの案に反対のところがございます。
 それは、そういう適格NPOの判定を三条機関をつくってやるというところですね、行政法上の三条機関をつくってやる。第三者機関というと何か格好いいんですが、これは要するに三条機関をつくってやるということのようでございます。
 私は、三条機関というあの思想は、戦後木に竹を接ぐようにアメリカから持ち込まれたけれども、日本ではうまく機能していないと思っております。ついこの間は金融再生委員会がございましたし、それ以外にも、公安委員会にいろいろな批判が集中しているということもある。責任の所在がはっきりしてこない、それから本当にいい人材をちゃんと集められるのかねという問題があります。本当に自分が政権をとった、政権党という立場で考えると、あの法案、第三者機関をつくれと言われたときに、はたと、これは本当にこんなことしていいかなというふうに考えざるを得ません。それで私どもは共同提案に乗っていないわけでございます。
 この点は、河村提出者はどうお考えでございましょうか。それ以外のところは賛成でございますから、それはおっしゃらなくていいです。
河村(た)議員 お答えを申し上げます。
 本当に世の中、正直に言っていいかどうかわかりませんが、鈴木博士、ずっと一緒に新進党で、反対に教えていただいたこともたくさんある方でございますので、この際正直に言いますが、一応私は、実は反対です。ですが、一応党として法案を出しますので、そういうことでは悪いことではない。
 きのうもちょっと言いましたように、三つの議論がございまして、こんなところは正直に国税がやったらどうだというのが一つ。それからもう一つは、都道府県で、これはちょっと違和感を感じられるかわかりませんけれども、新進党の提案は知事でした。今でも特増が、現にすごい数、知事がやっているんですよ、特増の場合。この方が実は、それは役人のようですけれども、知事には議会もありますし、それから選挙もあります。そういうことで、変なことをやったら監視が行くから国税よりいいじゃないかという考え。そして第三者機関の提案もあったんですけれども、弱かったですね。だけれども、今回いろいろな議論があって、わずか一票差ほどでございますので、ぜひ。またここは、特に自由党さんが一緒に新たな、政権奪取すると思いますけれども、その中に入っていただければ、十分そちらの方が説得力ができると思いますので、変えることはできると思います。
 第三者機関は、いいようですけれども、どうもイギリスのチャリティーコミッションの話も聞いておりますと、何かわざと自分たちの仕事をつくるんですよ、あれ。それで、役所でもない、民間でもないということですから、かえって民間の領域に入っていっちゃって、余分なことまでその第三者機関がやるようになる。
 変な言い方をしますと、本当は民間の評価機関がやらないかぬですね。アメリカなんか見ていると特にそうです。この団体はどうかということで、要するに星が一つ二つとか、いろいろやるわけですよ。これは民間でみんなやるんですけれども、そういうことまでやってしまうということ。
 それからまた、じゃ実際にそのメンバーは何かいといったら、役人ばっかりになっちゃうんですね、これ。イメージとしては、それじゃ日本で例えば厚生省が、何か第三者機関みたいなのをつくって、レストラン、焼き鳥屋に一つ星、二つ星とか、こんな評価つけたらどういう気がしますかね。
 そんなようなことになってしまいますので、私は、どちらかというと行政改革に反するのではないかということがありますので、これは一緒にまたやって、なるべくスリムな格好で、できれば民間の評価機関にすべて、すべてというか、一応ベーシックなスクリーニングだけは国税なり、あるいは都道府県知事というのはおもしろい仕組みですけれども、そういうようなところがやって、あとは民間の評価機関がどんどんやっていく。そういうシステムを自由党の方からも強く言っていただければ、みんなで直せるのではないか。
 わずか本当にちょこっとだけの差でございましたので、こういうことを余り言っていいかどうか知りませんけれども、あえて正直に言うのも、これも一つの議会のあり方ではないか。僕は、もっと根本的に自民党のはだめですから、与党案が。根本的に特定公益増進法人に対抗するという意味ではこちらの野党案の方がはるかにすばらしい案ですので、そこらにぜひ御注目をいただきまして、御理解をいただければというふうに思っております。よろしくお願いいたします。
鈴木(淑)委員 大変率直にお話をいただきまして、ありがとうございました。
 政治家河村個人は、私どもと同じように、第三者機関、三条機関としてつくることに疑問を感じているということでございましたので、どうぞ党内でいじめられないように御注意いただきたいと思いますが、野党としては、それを伺って大変力強く感じた次第でございます。
 長々と質疑をさせていただきましたが、私はきょう、宮澤財務大臣、柳澤金融担当大臣のお話を伺って、少なくとも二つのことを大変重要な御発言をいただいたというふうに思っています。
 一つは、お二方とも、株式の譲渡益課税についての将来の方向としては、申告の分離課税を見ている。最適課税理論に裏づけられた所得類別の課税制度の一環ということを頭に置いている。柳澤大臣ははっきり頭に置いておられる、宮澤大臣はそれにかなり理解を示されたと思いますが、このことは私にとって大きな収穫であった、また、この委員会での議論としても一つの収穫だったように思います。
 それからもう一つは、私のお願いでございますが、さっき言った三点の税制改革をはっきりさせるだけでも、この危機的様相の株価対策になると私は信じております。ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。
 では、時間でございますので、これで終わります。ありがとうございました。

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