互助年金改革Q&A 元に戻る
1.なぜ互助年金制度廃止か。
現行の互助年金制度は、公的年金制度と比べて、受給開始から掛金を回収できるまでの年数、受給額に対する掛金の占める割合、他の公的年金との併給調整がない等の点で優遇されており、国会議員の特権と化している。
この点について国民は深刻な不公平感を抱いている。また、特権と化した互助年金制度は、国会議員をして自らの職を報酬を得るための職業であると認識させ、そのことによる様々な弊害も生じている。
特権化による弊害を是正し、国民の抱く不公平感を解消するため、互助年金制度は廃止すべきである。
2.互助年金制度の廃止により国会議員であった者の老後の生活に支障がでないか。
国民年金法の制定当初(昭和34年)は、国会議員は国民年金の加入資格がなかったが、昭和60年の国民年金法改正により、互助年金法の対象者も被保険者とされ、現在では議員もいずれかの公的年金に加入しているのであるから、廃止による支障はない。
3.退職金であれば全額国費負担だが、かなり高額の納付金を負担している。
国会議員互助年金法の根拠規定である国会法成立の背景には、敗戦後の日本で民主主義を早急に立ち上げるため、国民各層から国会議員への立候補者が現れるよう、手厚い歳費を保障する占領政策があったともいわれているが、退職金の制度(国会法36条)もその一環であろう。これらの政策、特に退職金制度は、民主化を達成した現在の我が国では、再検討を要するものというべきである。
一方、互助年金制度は当初の構想では議員の納付金で運営可能と考えられていたが、現在、受給総額に対する納付金の割合は3割程度でしかない。優遇された互助年金制度による終身保障の仕組みは、手厚い歳費と相まって、国会議員の専業化を招いており、是正すべきである。
4.退職金の振替りという元々の趣旨を無視してよいか。
国会法に退職金制度が設けられたのは、敗戦後の特殊事情によるものであり(3参照)、国会議員の職は、本来的には強い使命感に裏付けられた非職業的なものであり兼業型が望ましい。国会議員の職は、地方自治体の長のように、役人組織の長として住民との間で雇う・雇われるという性格を持つのではなく、自らがこれを営む性格のもので、退職金を受けることになじむかどうかという議論もある。
議員という職の在り方とそれにふさわしい退職金制度については、さらに検討が必要である。
5.国会議員の歳費や退職金としての互助年金が保障されているのは、国民代表として国政に専念すべきということではないのか。
政治は「堅い板に力を込めてじわじわと穴をくりぬいていく作業である」(M.Weber)といわれるほどに常に困難を伴うものである。国会議員の地位を高い報酬や利権を得るための職業と考える者は、本来政治家として有すべき使命感に欠け、自らの任務を単に既存の行政の役割を補完することだけととらえやすい。そのような国会議員の増加は、国会を単なる現状追認の場に変質させてしまいかねず(オール与党化現象)、かえって社会腐敗や国政の停滞を招くおそれがある。
6.兼業する国会議員の増加によって国政審議が低調なものとならないか。
国会議員の専業化が進んだ現在においても、国政審議の活性化は重要な課題である。別の職業を持ちながら、あえて国政に尽くそうとする者の増加は、むしろ審議の活性化に資する。
7.国会議員の歳費や退職金としての互助年金が保障されているのは、出身階層の多様性を確保するという意味があるのではないか。
国会法制定当時の意図はそのとおりであった。が、いわゆる世襲議員の存在にみられるように、現在その多様性は失われつつある。
これは、国会議員の待遇が過度にあつく、国会議員の職が報酬を得るための職業として認識されるようになったことの弊害であり、是正すべきである。
8.互助年金制度の廃止により、国会議員が退職後の生活安定のため利権を追い、かえって政治の腐敗を招くおそれがあるのではないか。
国会議員が自らの職を職業ととらえ、退職後の生活安定のため、年金受給資格を得るべく当選を重ねようとする行動こそ、政治腐敗の温床である。
国会議員退職後の生活の安定については、広く兼業を認めることで対応し、自営業者と同様に国民年金でまかなうべきである。
9.既受給者の年金についても減額するとのことだが、財産権の侵害とならないか。
財産権の保障といえども絶対的なものではない。合理的な制約であれば許される。一般国民の公的年金の給付額は今年度引き下げられており、議員年金のみが手つかずのままでは不公平である。
10.仮に互助年金制度の廃止に伴い現職議員に対し一時金を支給して清算しようとすれば、短期的に莫大な財政支出をもたらす。また、納付金(歳入)がなくなる一方で既受給者への年金支出は継続するので、長期的にみても国民の税金による負担はかえって重くなるだけではないか。
一時金の支給はたしかに一時的な財政負担をもたらすが、国民の不公平感を払拭し、政治に対する信頼を回復するためにも特権的な互助年金制度を廃止することが必要である。
また、これによる負担増は過渡的なものであり、最終的には国費負担がなくなるものである。